東芝、6,000億円を調達し上場廃止を回避

様々な問題を抱え、
上場廃止のカウントダウンを
していた東芝に、ようやく光明が。

年度内(来年3月末)までに
債務超過の解消が、上場維持の
条件だった。

様々な策を講じていたが、
どの策も不安要素だらけだった。

だが今回の資金調達により、
上場維持を確実なものにした。

2兆円の子会社売却代金は?

東芝の主要子会社である
東芝メモリの売却代金は2兆円。

売却が決定したというニュースは
様々なところで報道された。

しかし、買ってもらう先は
決まったものの、既存の提携会社
からの契約違反の訴訟もある。

株主資本が大きく移動するため、
韓国国内による独占禁止法に
ひっかかる、とも言われている。

つまり、子会社売却による
資金調達手段が不透明ということ。

不透明である以上は
上場廃止を完全に逃れたとは
言えず、株式市場及び
銀行では不安感が漂っていた。

今回の資金調達は増資

不透明な施策だけではなく、
別の上場廃止策、つまりは
資金の目処が必要だった。

今回の第三者割当増資は、
上場廃止を阻止する最後の手段。

そして、本当はやりたくなかった
手段でもある。

増資ということは、新株を
発行してその株を買い取って
もらうこと。

ということは、既存の株式の
価値が下がるということ。

そしてもうひとつの問題は、
会社の決定権。

最近では減っている「モノ言う
株主」が活躍する。

「これだけ株を持っている
株主なんだから、俺らの
言うことを聞いてね」と言われるのだ。

そして今回の第三者割当増資は、
60ものファンドに行った。

今の状態の東芝の新株を
引き受けることになるので、
それなりに破格の条件提示が
なされたのだろう。

そして、今回の増資により
東芝の株式の11.3%を保有する
筆頭株主となったファンドがある。

それが、元村上ファンド出身者が展開する
「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」。

日本での「モノ言う株主」という
言葉を誕生させたくらいの
存在感があった、村上ファンド。

おそらく村上氏の意思を受け継ぎ、
対象の企業へ株主としての
提案がなされるだろう。

東芝の経営陣に、経営の自由度が
なくなっていくことになる。

経営陣にとっては避けたい自体だが、
上場廃止の阻止を第一に考えれば、
他に方法が無かった。

今からが問題

名門の東芝には、稼ぎ頭の
子会社がもういない。

財務体質の改善のために、
テレビ事業や病院、グループ会社
株式の売却などを進めている。

しかし、価値ある資産の
売却は、そう長くは続かない。

企業として存続していくには、
やはり事業で収益を出せなければ
ならない。

では、そんな状況の企業の株を
海外ファンド60社はどうして
引き受けたのか。

ファンドは、買った株が
上昇すると見込んでいる。

収益が期待できる事業展開の
展望があるのか。

それとも、東芝という会社自体を
買収されるような計画があるのか。

これだけのファンドから
増資の引受を獲得した背景には、
何かがあるはず。

我々一般人には、その「何か」が
分かるのは、もう少し先になるだろう。

投資ファンドの行動に
のってみる、という投資手法は
あり得るが。

あくまでも自己判断で。

 

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