ジリジリと上昇を続ける原油価格。まだまだ上がる?

少しずつ、しかし着実に
価格上昇を続ける原油価格。

今後も上昇を続けるとみられて
いるが、その原因と原油価格上昇に
伴う経済への影響を確認しておこう。

価格上昇を続ける原油価格

石油価格の大元となる市場で、
世界の投資家が集まるWTI原油先物。

ここの価格が原油の高い安いを
決定すると言っていい。

そのWTI原油先物が、徐々に上がっている。
足元では、70ドルを突破してきた。

まずは、WTIについて少し解説しておこう。
WTIの略は、
W:West(西部の)
T:Texas(テキサスにある)
I:Intermediate(中間の)
で、石油生産業者と買い手の間に
入る仲介の市場を意味する。

魚の卸売市場のようなもので、
生産された原油がこの市場で
売買されることになる。

世界にはいくつかの石油市場があり、
WTIはいくつかの市場の中でも
生産量が低い部類。

だが、ここには「○ヶ月先」の価格を
取引ができる先物という市場があり、
世界中の投資家の取引が集まる。

なので、取引所としての取引量は
世界で最も高く、ここの石油価格が
国際標準として見られている。

まぁ、簡単に言えば、WTI原油先物の
価格を見れば、石油価格が分かると
思えばいい。

そのWTI先物が、足元で70ドルを突破。
さて、これはすごいことなのか?

過去最高値はまだまだ先

石油が高くなった、70ドルを超えたと
騒ぎ始めているが、以前の高値から
比べれば約半分の水準。

2008年7月、WTI原油先物は1バレル
140ドルをつけた。

その後、大きく下落したものの
4年間くらいは100ドル近辺を
保っていた。

つまり、70ドルという水準は
決して高い水準ではないということ。

むしろ、まだまだ上昇の余地が
ある価格帯ということになる。

そして、まだまだ上昇を続けるという
別の理由も存在している。

アメリカのトランプ政権は、産出国の
イランに対して経済制裁を行っている。

詳細は割愛するが、イランで生産される
石油は、アメリカには入らない。

そこでトランプ政権は、産出国で
構成されるOPECに対して、もっと
石油を生産して価格を上げないで
くれと依頼した。

ところが、産出国は石油価格を
もう少し上げたいので、増産は
見送った。

つまり、供給量は今までよりも少なく
なった状態で、需要はアメリカ好景気に
よって旺盛。

需要と供給のバランスから、石油価格は
上昇する理由がはっきりとある。

石油価格の上昇による影響は?

さて、石油価格が上昇することで
どんな影響があるだろうか。

真っ先に思い浮かぶのは、
ガソリン価格の上昇。

今でも高いと思うような価格だが、
まだまだ上昇すると思っておいた
方がいいだろう。

そして、石油商品の価格上昇。
石油を原材料とする商品は、
そのメーカーの原価が上がる。

当然、その原価を消費者に求めるので
小売価格の上昇につながることになる。

石油製品といっても多岐にわたり、
プラスチック製品や化粧品などが
該当する。

原材料が石油ではなくても、製造工程で
大きな機械を動かすのに石油が必要な
商品も多く存在する。

例えば、紙パルプ製品などは
原材料となる木を粉砕するのに
大きな機械が必要で、その動力源は
石油になる。

まぁ、一言で言えば石油価格の
上昇で様々な商品の値上げが
行われる。

結果、消費が抑制され、お金の
循環が滞って・・・・
という話は経済学者にまかせておこう。

商品価格と同様に大きな影響を
受けるのが、企業業績を反映する株価。

ものづくり大国ニッポンでは、石油が
高くなれば経費がかさむという企業が多い。

結果、企業収益を圧迫し、業績に影響を
与え、株価は下がることに繋がる。

逆に儲かる企業も存在するが、
全体的に見れば下がる企業が多い。

投資家としては、石油価格の動向は
避けて通れないもの。
注意しておこう。

 

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