H.I.SがユニゾHDをTOB。その思惑とは?株価の変動は?

旅行業が中心のHISが、
ユニゾHDのTOBを発表。

昨日の場中に日経新聞の
電子版で報道されたことで、
株価も大きく動いた。

さて、その内容を見てみよう。

HISとユニゾHD

まずは登場人物を確認。
HISは、旅行代理業を
インターネット上で
成功させた会社として有名。

格安航空券の販売に特化した
旅行業で、業界でも2番手に
位置する大手となった。

話は逸れるが、旅行業の
最大手はJTBだが、上場して
いない企業としても有名。

話を戻そう。HISは近年では
多角化の経営を行っており、
長崎のハウステンボスの
買収などは世間を騒がせた。

その他、ホテル事業や運送事業など、
新しい収益の柱を模索中。

だが、多角化といえども
旅行業の売上が9割と、なんだ
かんだ言って旅行業の会社。

一方のユニゾHDは、一言で
言えば不動産事業の会社。

都心を中心にオフィスビルの
賃貸等を展開するが、ビジネスホテルの
運営にも積極的だった。

両社の規模を比較すると、
HISの売上が約7000億円。
ユニゾHDの売上が約500億円。

まぁ、普通に大きいところが
小さいところを食った感じ。

だが、その理由は是非とも
知っておくべきだろう。

ホテル事業を加速させたいHIS

TOBを仕掛けるHIS側は、
旅行業を中心とした派生ビジネスを
展開している。

例えば、旅行の行き先となる
テーマパークの運営や、移動手段に
なる輸送業など。

そして、旅行には付き物の
宿泊自体も、自社で完結
させるべく動いている。

近年では、「変なホテル」という
ユニークなネーミングとロボットの
接客で話題になっていた。

自社運営のホテルがあれば、
旅行業で提供する旅行パックに
自社のホテルを組み込むことが
可能となるので、利益も出やすく
シナジー効果が高い。

そして、そんなホテル事業を
伸ばすためにとった行動が、
今回のTOBというわけだ。

ホテル運営に必要なモノ(ホテル)、
そしてヒト(従業員)を、手っ取り早く
手にする手段というわけだ。

だが、今回のTOBに関する記事を
読む限りでは、今回のTOB発表は
ユニゾHDには知らされていなかったっぽい。

なので、敵対的買収という形に
なるのでは、と噂されている。

だが、もともとユニゾHD株を
5%程度もっていたHISなので、
おそらく水面下での協議が既に
終わっているのではと推測する。

もちろん、勝手な個人的見解なので
鵜呑みにしないでいただきたい。

株価も動いた!

本サイトでも解説しているが、
TOB(公開買付)が発表されると、
買収される側の企業の株価は
一気に上昇する。

なぜなら、100円の株を100円で
買いますと言っても、みんな邪魔くさいので
売ってくれない。

なので、100円の株を150円で
買うので、売ってくださいという
プレミアムをつけた金額になる。

そうなれば売る人も多くなるし、
市場では売買手数料込で150円と
なる金額まで一気に買われる。

まぁ、この辺が分かりにくい方は
是非とも本サイトで勉強していただきたい。

なので、今回の買収される側となる
ユニゾHDの株価は、ストップ高まで
一気に買い進められた。

だが、一方の買収する側のHISは
逆に株価が5%程度一気に下がった。

これは、買収にかかる費用が
収益を圧迫するという見方や、
買収そのものをよく思っていない
投資家が多いということ。

買収することで買収コスト以上の
収益を出すには、それなりに
数年間の期間が必要。

さらに、買収しても思うように
収益がだせないということも
十分にありえる。

今回の買収が成功なのか
失敗なのかは、今後のHISの
腕の見せ所となるだろう。

そして、1年後くらいになって初めて
その裁定が下ることになる。

なので、目先で言えば買収に
かかる先行投資の資金のアテが
見えない、つまり先行き不安で
下がった。

だが、下がってはいるが今回の
買収がスムーズにいって、業績も
上向きに進めば、下がった株価は
あっという間にもとに戻るだろう。

特に今回の買収では、シナジー効果が
目に見えて感じやすい内容。

今後のHISの手腕如何だが、
個人的には悪くない一手だと思う。

投資判断は自己責任だが、HISの
株には面白みが出てきたと言えよう。

 

こんな記事も読まれています

人気の学習カリキュラム

教えて編集長!投資に関する疑問にお答えします
  • 無料会員受付中入会費ゼロ年会費ゼロいますぐ登録
  • 12ヶ月ベーシック会員なら9800円で1960円OFF

マネヤックセミナー情報はこちら

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です