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債権って借金じゃないの?
借金のイメージが強い「債権」という言葉。
あなたにとっては、あまりいいイメージがないかもしれません。
ですが、債権。借金ではなく、
ちゃんとした投資の対象商品なのです。
債権に投資をするということは、
あなたはお金を借りる立場ではなく
お金を貸す方の立場になります。
人にお金を貸すという不安
あなたは、人にお金を貸したことがありますか?
そして、ちゃんと期日までにお金を返してもらいましたか?
不足分はありませんでしたか?
ある日、お友達から「1年後に絶対返すから10,000円貸して!お願い!」とせがまれ、
あなたがお友達に10,000円を貸したとしましょう。
1年後って遠いよ、というツッコミが聞こえてきそうです。
ましてや、本当に友達なら、そもそも借りないと思いますが、
それはさておき…。
本当に返してくれるかな?
いや、きっと返してくれるはず!
そんな自問自答を繰り返し、
不安な夜が続くかもしれません。
お金を借りてごめんなさい、というお詫び代
一方、お金を借りたお友達は、というと
あなたから借金をしてしまったことを申し訳なく思い
何かお詫びをしようと考えています。
約束の日、お友達から渡されたのは、
なんと、12,000円!!
思わずニヤリです。
借金のお詫び代として、お友達は2,000円をプラスして返してくれたのです。
不安なあの夜の気持ちは帳消し!とまではいかなくても、
少し嬉しくないですか?
お金を貸す代わりに、返すときはお詫び代を上乗せして返してもらう。
これが債権の仕組みです。
お詫び代を表す利子(りし)・お詫び代の割合を表す利回り(りまわり)
今回のお友達は、気前よくお詫び代として2,000円をプラスしてくれました。
この2,000円分のお詫び代のことを利子といいます。
そして、お詫び代(利子)の割合を、利回り(りまわり)という数字で表し、
「1年単位」で考えます。
つまり、貸したお金に対して、1年後に何パーセント上乗せされて
戻ってきたかということです。
今回の場合:
貸したお金(債権) | 10,000円 |
お詫び代(利子) | 2,000円 |
戻ってきたお金 | 12,000円 |
でした。
利回りは、以下のように計算します。
(お詫び代) ÷ (貸したお金) × 100 = 利回り(単位は%)
今回、10,000円をお友達に貸したら、
1年後に2,000円のお詫び代を追加して返してくれました。
なので、今回の利回りは、
(お詫び代)2,000円 ÷ (貸したお金)10,000円 × 100 = (利回り)20%
になります。
あなたが、お友達に「10,000円を貸した」という行為は
「10,000円の債権を買った(債権に投資した)」ことになります。
そして、あなたが買った(投資した)債権は、
1年後には、債権を買った(投資した)時のお金の20%分が
上乗せされて戻って来たのです。
1年後には利子が上乗せされて戻ってくる。
これを「年率」○%という言い方をします。
今回、利回りが20%だったので、
年率20%の10,000円の債権に投資し、
2,000円の得をした、ということになります。
どうですか?
上乗せされて戻ってくるなら、
債権も悪くないと思いませんか?
利子というお詫び代に、まさかの税金?
今回、お友達はあなたから10,000円を借りたお詫びに
1年後に2,000円のお詫び代を上乗せして
合計12,000円を返してくれました。
ところが、このお詫び代である利子が、
あなたの(不労所得で得た)収入とみなされてしまうのです。
利子に対して一律20%の所得税
収入とみなされる以上、所得税を払わなければなりません。
受け取った利子には、一律20%(国税15%+地方税5%)の税金がかかります。
親切心で上乗せしてくれたのに、
今度は一気に悲しくなってしまいます。
仕方ないので、計算し直しましょう。
今回のお詫び代は2,000円でした。
なので、2,000円の20%である400円を所得税として収める必要があります。
税金を払ったあと、手元に残るお詫び代(利子)は、
1,600円になりました。
そうなると、年率20%の10,000円の債権ではなくなってしまいます。
税金が引かれた後のお詫び代が1,600円なので、
(お詫び代)1,600円 ÷ (貸したお金)10,000円 × 100 = (利回り)16%
になります。
10,000円をお友達に貸して、
1年後に2,000円をお詫び代として上乗せして返してもらったとしても、
その2,000円に20%の税金がかかってしまうので、
手元に残る儲け分は1,600円になるということです。
つまり、今回は年率16%の10,000円の債権に投資をして、
1,600円の得をした、というのが正解です。
信用のある人にならお金を貸せる?
お友達に10,000円を貸した時、
返してくれるか不安だった夜のことを思い出してください。
お金を貸す、ということは
大なり小なりリスクが伴います。
リスクには5種類ありますが、
2年生カリキュラムで学習していきます。
- 信用リスク
- 期間リスク
- 流動性リスク
- 為替リスク
- 価格変動リスク
まとめ
債権の悪いイメージはなくなりましたか?
今回は、債権の超基本的なことをご説明しました。
お金を貸すということは、
それなりのリスクを背負うことにはなりますが、
悪いことばかりではないですね。
- 債権に投資をするということは、お金を貸す方の立場になる。
- お金を貸す代わりに、返すときはお詫び代(利子)を上乗せして返してもらう。
- お詫び代の割合を表す利回り(りまわり)は一年単位で計算する。
- 利子に対して一律20%の所得税を支払わなければならない。
- 利回りは20%の所得税を支払った後のお詫び代で計算する。