上場したけど、やっぱり怖い買収の影

多くの会社が「上場したい」と願う一方、
何らかの理由で上場廃止になることがあります。

せっかく上場して日本代表チームに入れたのに、
なかには自ら望んで上場を廃止したい、

つまり、日本代表チームから外れたい！
という会社もあります。その理由は、

会社が買収されるかもしれないからです。

株式会社ならどの会社の株でも買えるの？でも学習したように、
上場した会社の株式なら誰でも買えるようになります。

そして、誰かに51%以上の株を買い占められたら、
その51%の株をもった投資家
（会社も含む）に買収されてしまいます。

買収されると、買収してきた会社の
子会社となってしまうのです。

こんなことは何としてでも避けたい！！
だから上場を廃止したいんだ！と願う
会社もいるというわけです。

勝手に上場廃止はダメ！

ですが、会社側の「買収が怖い」という勝手な理由で
上場を廃止することはできません。

そりゃそうです。
上場した会社は、たくさんの株主が
存在していますもんね。

投資家たちが株主になる目的は、
株を売った時の差分で利益が欲しいとか、
株主優待や株主配当を受け取りたいとか
人それぞれです。

なので、会社側の「買収が怖いんです」という
勝手な理由で上場が廃止となると、

投資家や株主にとっては、
売りたい時に売れなくなるなど、
迷惑がかかります。

そこで登場するのが
MBO（マネジメント・バイアウト）です。

MBO（マネジメント・バイアウト）って何？

「買収されたくない！」と思った会社が
上場をやめようと思ったら、
MBO（エムビーオー）を行うことができます。

MBOは、Management Buyout
（マネジメント・バイアウト）を略したもので、

一言で言えば、経営陣が自社株を
買い占めることです。
（※実際に買うのは「会社」になります）

株主たちから株を買い戻す

会社の経営陣たちが、株主に対して
「あなたの持っている株を高く買い取りますので、
売ってくれませんか？」と提案し、

買い取った株の総数が一定の基準に達したら、
上場が廃止されるというルールに
基づいたものです。

上場廃止になってしまった株を持っていても、
株を売ることが難しくなります。

なので、たいていの株主は、
高く売れるこの時に株を手放します。

多くの株主が株を手放し、
上場廃止のルールが適用されたら、

無事、MBO（マネジメント・バイアウト）が
成立したことになります。

これで、会社は買収の恐怖から
やっと解放されることになります。

編集長より

MBO発表時の価格に注目

投資家としては、MBOが発表された時の価格に
注目です。

現在の取引価格よりも、企業の買取価格の方が
高いことが一般的です。

企業側から提案された買取価格よりも
安く株を買うことができれば、
その時点で儲けは確定します。

仮に売ろうと思っていた人が、
MBOの発表を知らずに、
そのまま売りに出していたとします。

そして、MBO発表をいち早く知った投資家が
その株を買えれば、その投資家は儲け確定なわけです。

実際に、MBOが発表された時点でたいていの株は
ストップ高となります。

ここで売りたい人は、
MBOの買い付けまで待っていられない人です。
時間を買うわけですね。

このような株式市場の動きにも
気を配っておきましょう。

まとめ

今回は、MBO（マネジメント・バイアウト）について
学習しました。

上場するっていいことばかりじゃないんですね…。
会社って大変っ。（ひとごと 笑）