応用:上場したのに証券取引所から退場命令!?退場にも2種類ある、自主退場と強制退場。

上場廃止になるってどういうこと?

会社の上場(じょうじょう)でも学習しましたが、
上場するには証券取引所の厳しい基準を
満たしている必要がありましたよね。

上場したら、ずっと安泰か…といえば
そうではありません。

証券取引所によって条件は違いますが、
東京証券取引所1部・2部・マザーズの場合、

株主が400人以上かどうか、
出回っている株式の数が2,000単位以上か
といった基準値があります。

上場しても、これらの条件を満たしていない会社は
証券取引所によって強制退場させられてしまいます。

また、MBOを望む会社なら、
上場廃止をしたいわけなので自主退場になります。

上場廃止の基準

東京証券取引所1部・2部・マザーズの場合
株主の総数 株主が400人以上か?
流通株式時価総額 証券取引場で売買されている株の合計金額が5億円以上か?
流通株式数 証券取引場で売買されている株が2,000単位以上か?
東京証券取引所JASDAQの場合
株主の総数 株主が150人以上か?
流通株式時価総額 証券取引場で売買されている株の合計金額が2.5億円以上か?
流通株式数 証券取引場で売買されている株が500単位以上か?

この他にも基準項目はありますが、
これらの基準を満たさない場合は、
証券取引所から退場(上場廃止)になるわけですね。

強制退場させられるのはどんな時?

上場している会社がルール違反をすると、
証券取引所は上場の基準項目を審査しなおします。

ここでいうルール違反というのは、
粉飾決算やインサイダー取引などです。

粉飾決算で話題なのは、最近なら東芝、
インサイダー取引でいうと、少し前に話題になったライブドアが有名ですね。

強制退場になるまでは容疑者:監理銘柄

会社が粉飾決算やインサイダー取引の容疑者になっても、
すぐに一発退場っ!ではありません。

容疑がかけられた会社は、証券取引所の監理銘柄(かんりめいがら)という
グループに入れられます。

この会社にはルール違反の容疑がかけられていることを
投資家さんたちに教えてあげるためです。

何も知らない投資家が間違ってこの会社の株を
買ってしまわないようにグループ分けしているのです。

容疑者として監理銘柄グループに移動になった会社は、
もしかしたら本当に犯人になってしまう可能性もありますよね。

もし犯人だったら、上場廃止になるので
監理銘柄の会社の株を持っている投資家さんたちは
どんどん株を売っちゃうわけです。

そりゃそうですよね。
わたしでもそうします。(笑

そうなると、株価は当たり前ですが下がります。

いよいよ強制退場が決定:整理銘柄

そして、残念ながら犯人になってしまった場合、
今度は整理銘柄(せいりめいがら)というグループに移動します。

刑務所に行く前の留置所のようなものでしょうか。
整理銘柄グループに移動したこの会社が、
近いうちに上場廃止になることを投資家に教えてあげるためです。

会社が上場廃止になってしまうと、
その会社の株を持っていても、
証券取引所で売るということができなくなります。

整理銘柄グループにいる期間は、原則として1ヵ月。

なので、その間に売っておいてね!とお知らせしているのです。

アディオス、証券取引所…

こうして、整理銘柄グループに移動してから1ヶ月後には
証券取引所から姿を消してしまうことになります。

自主退場するのはどんな時?

また、MBOを望む会社なら、
あえて上場を廃止したいわけなので自主退場になります。

買収が怖いとか、理由はなんにせよ、
自ら上場廃止を希望しているのであれば、
一発退場になります。

編集長より

ハイリスク・ハイリターンの投資対象

監理銘柄はあくまで「容疑者」なので、容疑が晴れて、
通常の市場に復帰すると、株価は上がります。
それを狙って敢えて買いに行く投資家も多いです。

さらに言えば、整理銘柄にいて上場廃止になる会社も
買うことが可能です。

上場廃止は、倒産するわけではありません。
市場からは退場処分になっても、経営は続けていきます。
そして、再起を図るわけですね。

そして、株主には違いがないので、
配当であったり株主総会への参加権利など、
企業の株主としての権利は残ります。
現金化が出来ない株を保有するだけです。

そして、退場処分となった会社がまたいちからやり直し、
数年後に再度上場する、ということがあります。

すると、安い金額で買った株が上場することで大きく値上がりします。
それを狙っているんですね。

もちろん、そのまま倒産することもありますし、
倒産すれば本当の紙くずになってしまいます。

上場廃止後に破産手続きがされることもあります。
この場合も、既存の株主は紙くずになります。
新しい会社で株式が発行され、新しい株主が誕生します。

ハイリスク・ハイリターンってところでしょうか。

まとめ

さて、今回は上場廃止について学習しました。
上場廃止といっても悪さをした結果の強制退場と
上場をやめたい自主退場の2種類あることが分かりました。

会社だけじゃなく、やっぱりルール違反はいけませんねっ(笑

上場廃とは…
  1. ルール違反をした場合や基準に満たない場合は上場廃止になる。
  2. 会社が容疑者になると監理銘柄に移動させられる。
  3. 会社が犯人確定になると整理銘柄に移動させられる。
  4. ルール違反の犯人になると強制退場(上場廃止)になる。
  5. MBOをしたい場合は自主退場(上場廃止)できる。
 

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