日本郵政の野村不動産買収が白紙に!何があった?

先日もブログ記事でご紹介した、
日本郵政による野村不動産の
買収案件について。

買収を検討していると報じられた
かと思うと、今度は白紙になったと。
この記事の影響で、野村不動産は
大幅に株価を下げた。

一旦発表された買収案件が
無かったことにされるのは、
そうそう多くはない。

一体何があったのか。

公式発表は買収価格の増加

公式の発表では、買収対象に
なっている野村不動産の株価が上昇し、
買収するために必要な資金が増加したため、
折り合いがつかなくなったとのこと。

確かに、日本郵政による野村不動産買収の
検討が記事になったまさにその日、
株価は2,000円前後から2,500円前後と
実に20%以上急騰した。

野村不動産の発行済み株式数は約1.9億株で、
買収のためには51%以上の取得、と考えると、
約1億株の取得が必要。

以前の株価2,000円で計算すれば、
2,000円×1億株=2,000億円の買収資金が
必要だったということ。

それが、2,500円まで急騰し、
買収に必要な資金は2,500億円と
500億円の追加資金が必要になった、というわけ。

なぜ?と思うことが。

さて、表向きは上述のとおりだが、
一般的に買収を仕掛けられる企業の
株価は上昇することが多い。

多くの場合、TOB(公開買付け)がかかるので、
現在の株価よりも高い価格で売れる可能性が
高くなるからだ。

そして今回を振り返ってみよう。
日本郵政は自らの発表で「買収の検討」を
公表している。

よっぽどの市場初心者でなければ、
株価が上昇することは予測できたはず。

多くの場合は、検討の段階では発表はしない。
決定して、TOBを発表して初めて明るみに
出るもの。

それなのに今回は先に検討を発表し、
株価が上昇、そして白紙に。
違和感がある。

憶測その1

いくつか考えられるが、
一つは日本郵政の意図的な発表。

直前の決算発表で、過去の買収案件の
大規模な損失が発表された。

その損失金額は4,000億円。
東芝に劣らない、巨額損失。

もちろん株主に叩かれるわけだが、
この損失問題をかき消すかのような
新しい買収策の発表。

過去の汚点から視線を逸らすため、
という考えが浮かび上がる。

あくまで憶測だが、そのような意図が
あるのなら、なんともお粗末な結果。

憶測その2

別の視点で考えるなら、
経営陣の市場への熟練度が低い。

初心者とまで言ってはいけないだろうが、
買収発表で株価が上昇することを
知らなかった、という可能性もある。

特に日本郵政などは、以前は国営企業だった
ため、M&Aなどに精通している人材が不足している
と言われている。

外部のコンサルなどに頼らず、すべて
自社だけで展開をしているのなら、
既上場企業の買収などは初めてで、
知らなかった、ということは十分にあり得る。

これもあくまで憶測だが、
この憶測が当たっている場合には、
日本郵政のM&A戦略は厳しいものとなり、
今後の成長戦略に不透明感が。

憶測その3、その4

そして最後の2つの憶測は少し飛躍するが、
今回の一連の騒動は、すべて計算通り。

例えば、野村不動産の株を多く持つ有力者が
日本郵政に対して、
「買収を検討しているって発表してもらえない?
実際に買収しなくてもいいから」

と話し、株価が上昇した時点で保有株を
すべて売却し、利益を得ている、など。

もしくは、不動産開発会社の買収意欲は
あるものの、野村不動産にこだわりはなく、
今回の一連の騒動で身売りをしたい
不動産開発会社を呼び込み、
有利な価格での買収を水面下で進めている、など。

前者であれば、インサイダー取引の対象となるので、
証拠さえ出れば逮捕者が出ることになる。

後者であれば、かなり戦略的な動きで、
相当な手練がいるということになる。

すべては憶測だが

現状で、明確な理由は分からない。
今後の動き次第で、振り返れば
そうだったのかーという程度だろう。

しかし、いくつかの可能性を考慮し、
「この結果なら買い」「この結果なら売り」
などの選択肢を持って、想定しておくことは
決して無駄にはならない。

 

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