アサツーDKのTOB騒動が一段落。その裏にある動きとは?

10月3日、広告代理店大手の
アサツーDK(以下、ADK)に
TOB(公開買付け)がかかった。

いわゆる買収で、仕掛けたのは
アメリカの投資ファンド「ベイン」。

一悶着ありそうな雰囲気だったのに、
落ち着く見通しとなった。

一連の再確認も含めて、
検証してみよう。

ADKのTOB、ネックはWPP

さて、アルファベット3文字が並ぶが、
事の経緯を再確認してみよう。

アメリカの投資ファンド「ベイン」が、
ADKの買収を仕掛けた。

仕掛けたといっても双方は合意の
上だったので、敵対的買収ではない。

ところが、ADKの既存株主で
筆頭株主(一番比率の大きい株主)である
アメリカの世界最大の広告代理店「WPP」が
マッタをかけた。

3,660円というTOB価格に対して、
評価が低すぎるとして反発したのだ。

WPPの了承が得られなければ、
ベインによるADKの買収は難航。

市場の見方は、WPPの了承を得るために
TOB価格の引き上げが行われるのでは
ないかという観測が広がった。

ところが、何の音沙汰も無いまま
1ヶ月を過ぎる。

今回のTOBは90日の期限があり、
このままではTOB失敗で終わる
という憶測のもとに、株価も
下落していた。

ところが一転して、今までの
TOB価格でWPPが了承した。

了承の理由などに関しては、
WPPやADKは一切コメントしていない。

一体何があったのだろうか。

そもそもWPPの狙いは?

平成10年、今から20年近くも前に、
ADKとWPPは資本業務提携を行った。

もちろん、広告分野に関しての
シナジー効果を狙ってのことだが、
20年経過して、それほどの効果が
出ていないという。

WPPからすれば、日本という市場を
取り込もうという思惑があった。

しかしながら、広告という考え方に
関して大きな違いがあった。

例えば、比較広告。
同業他社の商品と比べて、
自社商品の優位性をアピールする広告。

アメリカではライバルの
イメージダウンも狙っての展開が
普通にある。

これが日本となると、誹謗中傷の
部類に入り、逆効果となる。

広告代理店のスタンスも違うという。
日本の広告代理店は、営業力の無い
メディアの代わりに広告枠を販売する、
いわゆるメディア寄り。

対するアメリカでは、顧客の要望に
沿って広告枠を買う、顧客寄り。

文化の違いもあるだろうが、
アメリカ式ではなかなか日本には
馴染まなかったようだ。

突然のTOBの受け入れ、その裏には?

否定的な態度を取っていたWPP。
ところが一転して、TOBを受け入れた。

一体何があったのか。
コメントが一切出ていないので、
正確なことは分からない。

なので、いつものように
勝手な妄想をしてみる。

そもそも、ADKとWPPとの間には
資本関係はあっても、実際には
あまり仲が良くない状況だった。

お互い、顔と名前しか知らない
同居人のような存在。

資本関係を継続する理由も特に
無かったが、解消する理由も無かった。

一旦提携した先との解消、となれば、
既存株主などから文句を言われる。

なので、WPPは嫌々だけど
仕方なく解消します、という形に
したかった。

そこで相談したのがベイン。
水面下の交渉で、こう言った。

「ADK買収してくれない?
俺ら、売りたいし。
でも、一回はゴネる真似事するからね。
そうしないと、株主に文句言われるもんで。」

「ADKには話してあるから。
ADKも俺らWPPも、仕方なく
資本提携の解消をするってことに
したいので。よろしくー。」

こうして一連のTOB騒動が
行われることになった。

まぁ、あくまで妄想だ。
こんなやり取りがあったら
面白いのに、というだけ。

真実を知る術は
我々一般人には無い。

 

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