今日は、最近のニュースでもちょくちょく名前が出て来る「東芝」の現状についておさらいをしてみましょう。
東芝ってどんな会社?
言わずと知れた家電メーカーの「TOSHIBA」です。外人のおねぇさんが「トーシバ」と言って終わるCMは、誰もが見たことのあるCMのひとつではないでしょうか。家の中をぐるり一周してみれば、きっと東芝の製品に出会えると思います。
売上高5兆6,000億円(上場企業の中でも20位)、従業員数18万人という巨大企業ですが、実はこの東芝という会社は、家電販売(いわゆる白物家電、家庭で使う家電)の売上は全体の2割程度なんです。あとは何をしているのでしょうか。それは、マイクロチップなどの家電に入っている部品だったり、高齢者向けの健康志向電子機器だったり、エレベーターであったり、放送局の放送設備だったり・・・そして今回の問題にもなっている発電システムだったりと、電気を使いそうなもの全般に関係しているという感じですね。
- マイクロチップなどの家電に入っている部品
- 高齢者向けの健康志向電子機器
- エレベーター
- 放送局の放送設備
- 発電システム
それぞれの売上高はといえば、
マイクロチップ | 売上の30% |
健康志向電子機器 | 売上の30% |
東芝をめぐる問題
これを書いている今日現在(2017年1月5日)、東芝関連の問題は収束しておらず、数カ月後には全く違う状況になっていることもあるので、その辺はご勘弁を。
さて、まずはなぜ東芝がたびたびニュースに取り上げられているのか。東芝が何をしたのか。
証券取引等監視委員会(証券業界の警察のようなもの)へ、内部通告が届いたことから始まった。調べを進めていくと、直近7年間で合計1,700億円の不適切会計が発覚し、問題になっている。
この不適切会計の発端になったとされるのは、2006年に買収して子会社化したアメリカの原子力大手ウェンチングハウス社だという報道も。真相はまだ明かされていません。
一言で言えば、「業績が悪くなったけど、言いづらかったのでナイショにしちゃいました」という感じ。しかもその業績の悪くなり方が、今まで偏差値65点あった息子が、いきなり40点を下回ってきた、というくらいの急降下だから余計に具合が悪い。
もう少し詳しく。
5段階評価の通知簿に「3」があった部分を、無理矢理「5」に書き換えてお母さんに見せました。「まぁ、今回も良くできましたね、東芝ちゃん」とお母さん。
後日、ママ友お食事会で他のお母さんから言われます。
「東芝ちゃん、けっこう成績下がったんでしょ?大丈夫?」
ハテナマークが頭にいっぱいのお母さんは、東芝ちゃんに直接聞きます。
お母さん「ねぇ東芝ちゃん。成績下がったって言われたけど、本当なの?」
東芝ちゃん「え、そ、そんなことないよ!」
お母さん「でも、国語がひどかったらしいって言われたわよ。点数がひどかったって・・・本当はどうなの?ちゃんと言って!」
東芝ちゃん「・・・。ごめん、お母さん。内緒にしてたけど、実はひどいんだ・・・。」
お母さん「なんてことを!いつからなの!?」
東芝ちゃん「7年くらいかな・・・」
お母さん「なんでそんな隠し事したの!?」
東芝ちゃん「だって、叱られたくなかったから・・・。」
といった感じです。
専門用語で言えば「粉飾決算」の部類に入ると思われます。しかし、今のところは様々な思惑で粉飾決算とは言われずに「不適切会計」と呼ばれています。まぁその辺の話は活字では説明しずらいところですので、機会があれば。