27万円でも摘発されるインサイダー。今回東芝テック株のインサイダー取引で医師と元社員が告発されたニュースに思うこと

東芝テック株のインサイダーで
医師と元社員が告発される。

このまま読み飛ばして
しまいそうなニュースだが、
今日はインサイダーを
掘り下げてみる。

インサイダー取引とは

インサイダー、日本語では
「内部者」のこと。

詳しい解説はサイト内の
2年生カリキュラムにあるので
ご興味があれば。
ーインサイダー記事はこちらー

まぁ、簡単にいえば
特別な情報をもとに
取引しちゃいけません、ということ。

株は一般投資家が買うもので、
一般投資家が普通では知り得ない
情報を活用した取引はダメ。

だって、それってズルいし。
そんなことしたら一般投資家が
買わなくなるじゃん、というのが
証券取引委員会の見解。
※正式名称は証券取引等監視委員会

情報合戦のはずなのに

株は、如何に早く情報を掴み
上がる前に買い、上がったところで
売ることで売却益を得るか。

それなのに、一部の人しか
知り得ない情報はダメ。

これがインサイダー取引と
呼ばれるものだが、
どうも釈然としない。

まぁ、釈然としなくても
お上がダメって言えばダメ。

そして、その線引が
とても曖昧で困る。

私が証券マンの時代は、
インサイダー取引に該当
するのは、役員や会計士などの
特別な地位の人間のみ。

一般社員にはそこまで
厳しくなかった。

理由は、一般社員は会社の
重大な事実を知り得る
立場ではないから、だった。

会社側も、たかだか一般社員に
会社の重大な業績に関して、
発表される前に告知することは
ほとんどない。

それなのに今回は告発された。
7,000万円ほどの売買が
あったらしいので、額が大きいから。

と思ったら、そうじゃない
事例もあった。

たった27万円で告発

昨年3月ころ、某企業の一般社員が
打ち合わせ現場で自社工事に
欠陥を発見。

一般社員は保有する自社株8,000株
のうち、3,000株を売却。

そして、会社は欠陥を発表。
株価は下落した。

一般社員は売った3,000株分で
27万円の損失を回避した。

そして、捕まった。

え、これで捕まるの?
と思う方もいるだろう。

私も、こんなもんで捕まるのか!
と、驚いた。

金額も少ない、そして単なる社員。
会社が欠陥を発表するのかどうかも
知り得ない社員。

普通で考えても大丈夫そうな
取引だが、これを違法と
証券取引委員会は判断したのだ。

これには、証券取引委員会の
インサイダーに対する厳しい
姿勢の表れ、といっていいだろう。

バレなければOK

私の個人的な意見として
捉えていただきたいが、
インサイダー取引はどこにでも
あると思っていい。

決算発表などで、上方修正を
した会社は株価が上がる。

そしてなぜか、業績発表前から
少しずつ株価が上がっていく。

つまり、事前に業績発表の内容が
上方修正であることを知っている
人がいる、ということ。

しかし、事前に株を買った人が
「自分の単なる予想だし!」
と言い張れば、インサイダーではない。

実際には知っていたとしても、だ。

ここまではOK、でもここからはダメ、
という線引に明確なものはない。

今回の医師と元社員の件も、
一般社員の思った感じで
取引をしただけに過ぎない。

※ただし、今回の件はどうも
インサイダーだけではないっぽい。

皆さんも気をつけよう

今回の告発は、金額が大きかったので
目立ったのだろう。

これが、金額が小さければ
注目もされず、そのままになる。

でもバレれば告発。
難しいもんである。

疑わしきは、罰せられる。
これが、証券取引委員会の
姿勢であり、意向である。

納得できるかどうかではなく、
お上の意向である。

疑われるような取引は
どうぞお控えを。

 

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