宅配車両の集配作業中の駐車が、
東京都内100カ所以上で可能になる。
いやいや、いつも路駐してるじゃん!
と、私は思ってしまった。
今日はこんな記事から。
この施策で、甘い汁を吸うのは?
宅配需要の増加
言わずと知れた、ネットでの買い物。
これが、宅配事業に関しての
需要増を引き起こしている。
ネットで何か買ったことの
ある人は、特に違和感もない。
ネット事業の素晴らしいところは、
サービスの広がりが速いこと。
ネットで買い物などは、もはや
やったことのない人を探す方が
難しいだろう。
にもかかわらず、実際に配達を
してお届けしてくれる事業者の
数は、一気には増えない。
いくつかの配達事業を手がける
ベンチャー企業は誕生している。
しかし、国内すべてを網羅するような
宅配は、そうそう簡単にはいかない。
現状、業界ではクロネコヤマトの
宅急便がシェアトップに君臨し、
JPや佐川急便などが続く。
シェアトップを走るヤマトは、
荷受け所を細かく展開し、
宅配の地位を確固たるものにしている。
にもかかわらず、最近のヤマトは
残業代未払い問題や、水増し
請求問題などなど、いくつもの
問題を抱える。
そんな対応に時間と費用を
費やしているヤマトを
助けるような今回の施策。
どうも、キナ臭い。
発端は働き方改革
実は、宅配車両の路駐OKは
以前からあった。
標識に「P」のマークがあり、
その下に「集荷車両に限る」
と書かれている場所だ。
この駐車可能区域をどんどん
増やしまっせ、という話が出たのは
ちょうど1年ほど前。
道路交通法のもと、道路の法規を
管理する警視庁が動いた。
当時から言われていた働き方改革の
一貫として、ドライバーや宅配企業の
負担を軽減することが目的だという。
ここだけ聞いていれば、なるほどと
思ってしまう。
確かに、現状でも宅配業界の
仕事はパンパン。
かなりの重労働を強いられている
という話はちょくちょく出る。
路駐可能区域が増えれば、
それだけドライバーの負担は
減るだろう。
しかし、よくよく考えてみると、
今でも路駐している宅配車両は
ちょくちょく見かける。
普通に車を運転していても、
「こんなところに停めるなよ」
と思うことも多々ある。
そして、そんな路駐常習犯である
宅配ドライバーを検挙している
警察。。。は見た覚えがない。
つまり、今でも暗黙の了解となって
宅配車両の路駐を認めている。
暗黙の了解とされていたものを、
ちゃんとした法律の元で
公にもOKにした、ということだ。
なので、ドライバーの負担減という
のは、まやかしにほかならない。
今と変わらない仕事をするだけ。
では、何が変わるのだろうか。
儲かるのはどこ?
前述の通り、一見すると
宅配事業者が儲かるように
思われがちだが、そうではない。
では、どんな事業者に
どんな影響があるのか。
分かりやすいところは、
道路標識を製作する企業。
まぁ、設置箇所が少し増える
程度だが、特需は特需。
道路の白線を引く企業も、
少し仕事が増えるかもしれない。
警察も、今までは見回りする
フリが必要だったが、今後は
それすら必要なくなる。
これも働き方改革だろうか。
まぁ、でもそんなところか。
次いで、デメリットを被る
事業はどんなところがあるか。
暗黙の了解といえども、今までは
近隣の駐車場に停めて配達して
いたドライバーもいる。
そんな人達は、有料の駐車場を
利用しなくなる。
駐車場経営のオーナーさんなどは、
少し嫌な話だろう。
暗黙のルールが公のルールに
変わることで、暗黙のルールに
便乗していた事業者には痛手。
タクシーなどは、集荷ではない。
よって、今後はこの駐車スペースを
利用することは出来ない。
いい面も悪い面もあるが、
この施策が広まっていけば
利害が顕著に現れてくるだろう。
貨物用と書いてある駐車スペースに一般車が停めている為に貨物が停められない事が都内では多く、特に新宿区、千代田区、といった都心部でやられると待機時間ばかり増えて仕事にならんのよ。Amazon問題も実は未だに全てが解決した訳ではなく、時間指定しておきながらも留守というケースも多いのが実情。その状態が続いているから配送業から離れる人も多く、配送の運転手も少なくなり、事故も増えるといった悪循環が繰り返される状況。物流がストップしたら、この問題でズルくないとか言ってる人達はどうやって生活するのか、逆に問いたいのですが。物流が流れているからこそ、スーパー等にも商品が並ぶ訳だし、もっとそういった部分も考えてみて欲しいですね。寧ろ都内なら電車も使えるのだし、一般車の方が邪魔と言えるのではないでしょうか?
「ただの通りすがりの運転手」さん
実際のドライバーの立場でのご意見、貴重ですね。
確かに、物流がストップすることで被害を被るのは消費者。
コンビニの時短営業に通じるものを感じますが、
事業者と消費者の思いには溝が感じられますよね。
戦後とは違い、サービスが溢れる現在。
「お客様は神様」という言葉は、死語になって
いくのかもしれませんね。