日銀の副総裁の雨宮氏が、
国会答弁で答えた内容が。
「日経平均株価が18000円を
割り込むと、保有ETFの簿価が
下回る」
この発言の意味は?
日銀の発言
今回のニュース記事では、
日銀の雨宮副総裁の発言。
日経平均株価が18000円を
割り込むと、保有しているETFが
簿価を割り込む。
つまり、日銀の保有資産に
含み損を抱えるという内容。
似たような発言を、先日も
黒田総裁が発言している。
TOPIXが1350円を下回ると
保有ETFの簿価が下回る、と。
ちょっとイメージしにくいので、
一般の人の事例に変えてみよう。
「俺の買った株、○○円を
下回るとマイナスになるんだよねー」
という内容だ。
仮に知人がこんな発言をしたと
想像してみよう。
はっきり言って、「へー」と
心にもない相づちが出て、それで
終了するはず。
日銀が、トップ二人が、
このような発言をした意図は
一体何があるのか。
日銀は胴元のようなもの
よく言われているのが、日銀の
ETF買いが株価を下支えしている、
というニュース。
実際に、日銀は相当額のETFを
購入している。
年間に約6兆円、累計では約30兆円
近くの保有残高にまでなる。
株価が下落した際に、その下落を
食い止めることを目的として
ETFを大量に買い込む。
株価が下がれば国内景気に
水を差す状況になるので、
無理矢理にでも株価を下げない
というやり方だ。
そのおかげか、近年では株価が
急落しても一定の水準で下落が
止まる。
この日銀のETF買いは一定の効果を
発揮していると言っていいが、
今回はその保有ETFの簿価に
ついての発言。
そんなことを発言する意図は、
どこにあるのだろうか。
株価は下落させないという意思表示?
あくまで憶測の域を出ないが、
これは市場への対応を示唆して
いるのではないかという見方が多い。
つまり、日経平均株価が18000円を
下回ることはさせないよ、というもの。
もっと言い換えると、
「18000円を下回りそうになったら
意地でもETF買いを増加させますよ」
「18000円を下回らせないので、
みなさん安心して株買ってね」
といった感じだろうか。
これを素直に受け止めれば、
日経平均株価が下がっても
この18000円を下回らないので
ある程度のリスク計算ができる。
だが、東証1部だけでも時価総額は
約600兆円。
年間で6兆円のETFを購入しても
わずかに1%。
大幅な下落が発生すれば、
1%程度の買い入れがあっても
簡単に割り込むだろう。
それに、日銀が買い入れたETFの
累計30兆円分の行方。
いずれは売却をすることになるが、
売却が始まったら、逆に株価の
下落につながるおそれがある。
いろいろと問題を抱えている
日銀のETF買いだが、今はまだ
買い姿勢。
この方針転換が発表されれば、
株価が大きく下降基調に傾く
可能性がある。
日銀のスタンスには常に
注目しておく必要がありそうだ。