昨日はイギリス経済の影響を
書いた。
今日は、イギリス以外の国が
どのような影響を受けるのかを
書いてみよう。
EUの中のイギリス
イギリスがEUを脱退することが、
どのような規模の話で
どんな影響を受けるのか。
まずはそこを見てみよう。
EUは28の国が加盟するヨーロッパの
地域連合。
大国に立ち向かうため、そして
欧州経済の活発化を狙って、
徒党を組んだようなものだ。
そして、EU圏内の統一通貨である
ユーロを発行している。
現在、世界の3大通貨は
ドル、円、そしてユーロ。
流通量がそれなりにある通貨
という位置づけになる。
それほどEUという共同体が
ひとつの国のようなものとして
機能しているということだ。
そんなEUは、国ではないので
税金の収入がない。
なので、加盟国から経済規模に
応じた出資金を取っている。
そんな出資金の額が、比較的
多いのがイギリス。
EUからイギリスが抜ければ、
イギリスからの出資金もなくなる。
その割合は、EU全体の約17%。
小さいのか、大きいのか・・・。
なので、ユーロという通貨に
対する信頼感も、17%下落すると
思っていいだろう。
イギリスは自国通貨である
ポンドの流通がそれなりに
あるので、イギリスにとっては
好都合だ。
ただ、世界各国でユーロ建ての
債権などが発行されており、
ユーロが下がることで債権の
価値も下がることになる。
少しの下落なのか大暴落なのかは
わからないが、とにかくユーロで
出来た様々なものの価値が下がる。
通貨が下がることの影響
通貨の価値が下がるということは、
ユーロ圏で商売をしている企業の
業績に影響を及ぼす。
例えば、日本で作った鉛筆を
ユーロ圏で販売すれば、当然
ユーロで支払いを受けることになる。
1本の鉛筆が1ユーロで売れたとする。
今までは1ユーロを日本円に換えると
150円だったとしよう。
1ユーロの価値が下がることで、
1ユーロを日本円に換えると
130円とかになる。
そうなると、EU圏内で鉛筆を
販売する事業者は、何もしていない
のに利益が減ることになる。
逆に、ユーロ圏から消しゴムを
輸入している企業があるとする。
1ユーロの消しゴムを買うために、
今までは150円を支払っていた。
ところがユーロの価値が下がり、
品質は全く変わらない消しゴムが
130円で買えるようになるわけだ。
つまり、企業目線で見た場合には
ユーロが下落することで輸出企業は
打撃を受け、輸入企業は恩恵を受ける。
日本などは上場企業の7〜8割が
輸出企業のため、日本にとっては
マイナスの影響となる。
輸入を多くおこなっている中国など
では、ユーロ安は仕入原価が下がる
ことと同一なので、歓迎ムード。
まぁ、そんな影響があるんだと
頭の片隅に入れておこう。
イギリスのEU離脱は実現する?
一旦は国民投票で決まったEU離脱。
ところが、離脱の詳細を決めた
案が議会で否決された。
合意なき離脱とか言われたり
しているが、離脱そのものが
白紙になる可能性だってある。
国民投票のやり直しをするとか、
強行離脱するとか。
様々な憶測が飛び交っているが、
どっちに決まればどんなところが
どんな影響を受けるのかを正確に
理解しておこう。
そうすれば、どっちに転んでも
慌てずに投資が出来る。
それが、自己責任というものだ。