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企業が上場(じょうじょう)するということ
「旦那さんの会社、上場してるから安心よね。」とか、
「彼氏の会社、今度上場するらしいよ。」とか。
こんな会話を聞いたこと…、
なくても全然大丈夫ですよ。(笑
さて、今日は会社が「上場(じょうじょう)する」とは
何がどうなることなのか、学習していきましょう。
上場(じょうじょう)は日本代表チームの仲間入り
2017年1月現在、日本には
約200万もの株式会社が存在しています。
参考サイト:日本の各都道府県の株式会社数と上場会社数(上場サーチ)
ですが、いくら敏腕の投資家であっても、
すべての株式会社の株式を売買することはできません。
超入門:株ってなんだろう?でも学習しましたが、
一般の投資家が売買できる株式は、特別な場合を除き
「上場している」必要があります。
東京証券取引所のような証券取引所では
投資家たちが売買できる株式だけを取り扱っています。
そのため、企業の売上高や会計状態を
厳しく審査し、倒産しそうな株式会社は
上場自体を許していません。
そんな厳しい基準をクリアした株式会社の株式は、
晴れて投資家たちによって売買される状態になります。
現在、日本国内で売買できる株式は
約4,000ほどですが、「上場する」ということは、
この日本代表チームに仲間入りした、ということです。
なので、企業が上場すると
証券取引所お墨付きの「いい会社」という信頼を
味方につけることができるのです。
上場させてください、お願いします!
ここからは、あなたが株式会社マネヤックという
会社の社長という例えで話を進めますね。
※実際にはそういう会社はありません。
あなたの会社、株式会社マネヤックを
上場させたい場合、まずは証券取引所に対して
申請を出さなければなりません。
証券取引所への申請を
上場申請(じょうじょうしんせい)といいます。
上場申請を受けた証券取引所は
株式会社マネヤックの会社の売上高や会計状態を
厳しく審査します。
この厳しい審査が通れば、
株式会社マネヤックはめでたく上場決定です!
これを上場承認(じょうじょうしょうにん)といいます。
そして上場日を迎えて新規公開することで、
投資家たちは株式会社マネヤックの株式を
売買することができるようになります。
参考:新規上場会社一覧はこちら
日本取引所グループ
なぜ企業は上場したいのか?上場する3つのメリットとは
証券取引所に上場申請したからといって
必ずしも上場承認をもらえるとは限りません。
それなのに、どうして企業は
上場したがるのでしょうか?
上場することで、会社にとって
魅力的な3つのメリットがあるからです。
メリットその1:会社の信用性が上がる
企業が上場するためには、
証券取引所の厳しい審査が必要でしたよね。
その審査を見事クリアしている、
ということは株式会社マネヤックは「いい会社」
なわけですから、会社の信頼性が大きくアップします。
信頼性がアップすることで、
銀行からお金を借りやすくなります。
また、株式会社マネヤックのような
「いい会社」で働きたい!という志願者が増え、
より優秀な人材を確保することも
できるようになります。
さらには、そんな「いい会社」と
一緒に仕事がしたい!という企業も出てくるかもしれません。
新規の取引先が増えることだって
十分考えられますよね。
メリットその2:会社の知名度が上がる
企業が上場すると、投資家たちが
その株式を売買できるようになるのでしたよね。
つまり、あなたの会社が
たくさんの投資家たちに知られるようになります。
ニュースになったり、雑誌に掲載されたり、
あなたの会社がどんな会社なのかということを
たくさんの人たちに知ってもらえるようになります。
一般消費者向けに商品やサービスを
提供している会社であれば、
これは大きな宣伝効果になりますよね。
投資家でなくても、その会社の商品や
サービスを多くの人が買ってくれるわけですから、
売上げアップが見込めます。
メリットその3:会社の資金を確保しやすくなる
新しい事業を立ち上げる、とか、
新しい設備を購入する、など、
会社が大きな金額を払わなければならない場合、
その資金をどうやって集めればよいのでしょうか?
間接金融(かんせつきんゆう)と直接金融(ちょくせつきんゆう)
資金を集める方法は2つあります。
1.銀行から借りる。
2.投資家に株式を購入してもらう。
1.のように銀行から借りることを
「間接金融(かんせつきんゆう)」といいます。
銀行から借りるお金、つまり
銀行に預けているお客さんから預かっている
お金の一部です。
そのお金を、お客さんからではなく
銀行を経由して借りることになるので、
「間接」金融と言います。
そして、2.のように株式を購入してもらうことを
「直接金融(ちょくせつきんゆう)」といいます。
この場合、銀行を経由することはなく、
投資家たちに株式を買ってもらう、つまり、
株主から「直接」お金を調達することができます。
厳密に言えば、
株式を買ってもらうことで
証券会社を経由(代行)することになります。
ですが、投資家たちは、
あなたの会社の株主になる意思があるので
「直接金融」になります。
銀行のお客さんたちは、
自分たちが預けているお金が
どの会社に融資されているか、
なんて知らないわけですから。
集めたお金、返さなきゃいけませんか?
間接金融と直接金融。
最大の違いは、お金を返す義務があるかないか、
です。
銀行からお金を借りる
間接金融は、当たり前ですが、
借りたお詫び代(利子)を付けて
返さなければなりません。
ですが、直接金融で集めたお金は
返す必要がありません。
これは大きいですよね!
でも、せっかく投資してくれたので、
株主優待を付けたり、株主配当を分配したりして
投資家たちにお礼をしているのです。
編集長より
上場することで株価が一気に上昇
投資家としては知らなくていいですが、
オーナーさんにはもう一つ、上場することでの
大きなメリットがあります。
それは、自分が持っている株式の価値が
大幅に上昇することです。
会社を設立するときに、オーナー(社長)は
資本金として1,000万円を用意したとします。
株式会社の場合、1株5万円などで発行するので、
200株を社長が持っている状態となります。
これが、上場する時には価値が数百倍にも
なっている場合が多いんです。
詳細は割愛しますが、1,000万円の株が
上場すれば20億円くらいになっているのが
普通なんです。
オーナーさんは一気にお金持ちですね。
企業経営者の多くは、それを目標に
上場まで頑張ろうとしているんです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、企業が上場するということをご説明したのですが、
なんとなくイメージはついたでしょうか?
高いハードルを乗り越えた企業だからこそ
投資家たちは安心して株を売ったり買ったりできるというわけです。
あなたの大切なへそくりを上手に活かす方法があるのですから、
これからしっかり学習していきましょう。
- 1.証券取引所の厳しい審査に合格しないといけない。
- 2.上場しないと、投資家はその会社の株式を売買できない。
- 3.上場は日本代表チームの仲間入り。
- 4.上場すると、信頼性と認知度がアップする。
- 5.直接金融で株主から集めた資金は返す必要がない。