野菜が工場で作られる時代。大手コンビニが生産開始

大手コンビニが、報道陣に
野菜の生産工場を公開した。

野菜までもが、工場で作られる時代。
いろいろと考えさせられるような
ニュースだった。

野菜の工場生産

始まったのは10年ほど前。
国もこの施策を後押し。

自給自足が期待出来るとし、
150億円ほどの補助金もつけた。

そして、異業種からの参入が
増え、いち産業として期待された。

ところが、ここ最近の事情は
撤退する企業が続出。
原因は、採算だった。

採算が取れない原因は3つ。
ひとつは、安定的な生産が困難。

植物とはいえ生き物商売。
思ったような生産が出来ない。

人工的な光で生産するが、
問題は水質だった。

水質が安定せず、育ちが
不十分な野菜が多かった。

新規分野なだけに十分な
サンプルもなく、ロスが多い。

生産が出来ないという、まさに
致命的な状況が続いた。

それでも試行錯誤を続け、
安定的な生産が出来るように
なってくると、別の壁が。

それは、販売ルートの確保。
大手スーパーなどに卸して
いたが、キャンセルが相次ぐ。

原因は、価格。
工場からの出荷は価格が一定。

しかし、通常の栽培した
野菜に比べて、コスト面などで
割高になる。

安い価格の野菜が出荷されれば、
当然ながらそちらに傾く。

せっかく安定的な生産が
出来ても、販売が安定しなかった。

こんな現状の中で、新規参入した
企業の撤退が相次いでいた。

大手コンビニ自ら参入

今回のニュースでは、工場生産を
公開したのはセブンイレブン。

多くの店舗でサラダが販売されるので、
販売先はすでに確保されている。

生産技術も、先人の失敗を踏まえて
ある程度の安定生産が可能。

今までの失敗の原因を克服し、
安定的な供給が可能とした。

1日にサラダ7万食分の野菜を
生産可能に。まぁ、想像しにくいが。

サラダが300円くらいだとすれば、
売上で2100万円程度。

原価率を3割程度で計算すれば、
野菜の卸価格は600万程度か。

1日600万の売上、月に1.8億円。
年間で20億程度の売上。

ここから人件費や初期コストなどを
差し引いても、採算が合うという。

初期投資は60億円程度と報道されて
おり、投資回収までには時間がかかりそう。

大手コンビニで販売ルートが
確立されていても、ものすごく
儲かるという分野でもなさそう。

今後は増える?

今回のセブンイレブンがちゃんと
軌道に乗るようなら、小売を
展開する企業の参入が進むかも。

今でも、多くのPB(プライベート
ブランド)商品が並ぶ。

大手スーパーのイオンなども、
自社農場などを展開している。

大手資本が初期投資や販売ルートを
持つ状態で参入すれば、採算は
合いやすい。

これが続けば、専業農家や
酪農などが減るのだろうか。

まぁ、時代の流れと言ってしまえば
それまでだが。

AIに仕事を奪われる、などと
言われる昨今だが、大手資本により
農業までもが奪われる。

時代の移り変わりを
敏感に察知しておこう。

 

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