3年5ヶ月ぶりの原油高。
我々一般消費者の家計を
刺激する、というより痛手を
負わせるこの高騰。
原因は一体なんだろうか。
そしてこの原油高は
まだまだ続くのか。
原油価格変動の仕組み
原油高になるのは、株と同じように
買いたい人が多く、売りたい人が少ない
という状況で起こる。
では、買いたい人はなぜ買いたいのか。
それは、今後の石油の価格が上がると
思っているから。
純粋に利益を求めた
「投資」の意味合いだ。
もう少し噛み砕いて言えば、
原油の需要が逼迫すると
思っている人が多い、ということになる。
そんな人たちは、何を見てそう思うのか。
投資家の心理を読むことができれば、
原油高がある程度読めるようになる。
原油が高くなる場合を挙げてみよう
原油が高くなる要因は、
ひとつではない。
様々な要因で原油の価格が
上がることになる。
ただ、覚えておいて欲しいのは、
需要と供給のバランスが崩れたときに
価格が動く、という大原則だ。
需要(石油を欲しい人)が増加すれば
価格は上昇する。逆に、供給(石油の
出回る量)が増加すれば価格は減少する。
この大原則を念頭におきつつ、
原油高となる例を挙げてみよう。
まずは、需要が増加する場合を
いくつか挙げてみよう。
・ガソリンが多く使われる
→夏場のドライブシーズン
・灯油が多く使われる→冬
・戦争などで燃料が大量に
必要になったとき
いろんな場合が考えられるが、
とにかく石油及び石油製品が
大量に必要となった場合。
では今度は逆に、供給が減る場合を
考えてみよう。
・石油産出国による産出制限
・貿易摩擦による石油輸出量の減少
これらは、ちょくちょくニュースなどで
出てくるような事例となる。
「OPECが減産」「経済制裁などによる
関税の引き上げ」などなど。
需要は今までどおりでも、供給が
減れば、価格は上昇する。
今回の原油高の原因は?
それでは、最近の原油高は
どんなものが原因とされるのか。
今回の原油高の原因は、供給の減少。
しかし、その理由は大きく2つ。
まずひとつは、産出国による
減産調整だ。
もともと、中東の産出国を中心に組織される
OPEC=石油輸出国機構で、石油価格の
安定のために、産出量が調整されていた。
しかし、OPECに加盟しない産出国もあり、
その中でも産出量の多いロシアなどは、
減産による価格の調整などを考えずに
どんどん産出していた。
ところが、OPECとロシアなどが協調して
石油価格の安定のために減産をするように
なり、石油価格は高騰した。
そして、もうひとつはアメリカに
よる外交の結果だ。
最近の話では、アメリカによる
イラン核合意からの脱退。
これにより、イランとの輸出入は
制限がかかることとなり、イランから
輸出されていた石油が半減する、と
みられている。
こうした一連の流れの中で、
石油価格は高騰した、と言われている。
しかし、高騰を抑えるように
代替エネルギーであるシェールガスなどは
産出が増加され、原油価格の高騰に
歯止めをかけている。
投資家たちは、このような世界情勢から
今後の石油の需要と供給をはかり、
取引をしている。
石油はあらゆる業種に影響を与える。
石油価格の動向は、知っておきたい。