米の株式市場が大幅安。
日本でいう日経平均株価にあたる
NYダウ、その下げ幅は665.75ドル。
この下げ幅は、リーマンショック以来で
一番大きい下げ幅。
一体何があったのか。
株は今から下がり続けるのか。
米株式市場は好調だった
日本人にはあまり馴染みの
ない米株式市場。
しかし、米株の日本株へ
与える影響はことのほか大きい。
100%とまではいかないが、
米株式市場が上がった日の
翌日の日本株は上がる。
逆に、米株式市場が下がった
日の翌日の日本株は下がる。
取引時間帯が違うので、
日本株に先行して取引が
開始される。
今回の下げを受けて、
おそらく今日の日本株も
大幅安となる公算が大きい。
そもそも、米株式市場も
日本株と同様に順調に
上げていた。
ちょうど1年前のNYダウは
約20,000ドル。
それが、先日までは26,000ドルと
1年で約3割の上昇を、順調に
駆け上がっていた。
年間で3割の上昇、しかも
全体の上昇は、やはり大きい。
市場関係者の発言では、
「大きな調整局面もなく
上がっていたので、健全な調整」
と言っているが。
今回の大幅安の発端は?
報道によれば、今回の大幅安の
発端は米の雇用統計の数字が
市場予想より良く、長期金利が
上昇する懸念があるからという。
さて、この意味を読み解く
必要がある。
まずは雇用統計。
中身は様々なものがあるが、
例えば「非農業部門の就業者数」。
まぁ、いわゆる普通の人の
働いている人の数だ。
そしてもうひとつ、「失業率」。
この2つの数字が市場の予想よりも
良い数字が出たことで、
米全土の好調さが確認された感じ。
ん?好調なのに株は下げたの?
と疑問の方もおられるだろうが、
そのまま話をすすめよう。
好調な経済環境であれば・・・
経済全体が好調になればなるほど、
注目されるところが
長期金利だ。
特にアメリカの長期金利は、
徐々に上がってきている。
経済環境が一気に膨らみすぎないように
ブレーキをかける意味合いもあり、
長期金利をあげるのだ。
そして、金利が上がれば
お金が借りづらくなる。
企業であれば設備投資など、
個人であれば住宅ローンなどが
組みづらくなり、結果、消費が落ち込む。
消費が落ち込めば、企業業績にも
影響を与えることとなり、
株が下落する要因になる、ということ。
そしてもうひとつ、金利があがれば
債券などの比較的ローリスクで
運用される商品でもそれなりの
金利が確保できるため、
資金が株から債券などへ流出する。
アメリカ経済全体は好調だが、
株式市場にはマイナス要因、
ということになる。
このまま下がり続ける?
ここでも市場関係者の言葉から
引用してみよう。
「アメリカ経済が好調なので、
一時的な調整局面としかみていない」
「上がり続けていたので、
健全な調整。長期的にますますの
上昇が期待出来る」
など、楽観的な意見が多い。
これらの発言を聞く限りでは、
目先は問題ないのかな、とも
思えてくるが。
個人的な意見だが、株式市場は
基本的には需要と供給で成り立つ。
投資家の不安心理が大きく作用
すれば、大きな下落につながる。
そして、市場の反応が楽観的な
ときに大きな下落局面がスタートする。
市場の反応は悲観的なときに、
大きな上昇局面がスタートしたように。
経済環境は申し分ないほどの
好調を示しているが、さすがに
下げ幅が大きすぎるのが気になる。
さて、今後の株式市場は
どうなるだろうか。