MRが減らされる現状。製薬業界はスリム化を狙う

MRといえば、医療系の営業。
いわゆる、薬の販売を担う
営業マン。

それなりの専門知識が必要で、
医師を相手に自社の薬を
売り込む仕事。

高給としても知られる花形の
営業に、陰りが見えてきた。

MRの仕組み

日本には製薬会社がいくつか
存在している。

有名所で言えば、武田薬品工業や
アステラス製薬など。

そんな大手製薬会社では、自社の
薬を販売するために営業マンを
抱えている。

他社の薬との違いや、どんな
病状に効くのかなどなど、医師に
ちゃんと説明して扱ってもらう
ことが主な仕事だ。

細かい話だが、MRは直接販売する
わけではない。あくまで説明で、
実際の販売をするのはMSという存在。

そして、MRはあくまで略で、
Mはメディカル、Rはレプリゼンタティブ。
情報提供者という位置づけなんだそう。

人の身体に関係する薬を扱うし、
ちゃんとした専門知識で医師に
情報提供をする仕事。

それなりに頭がいいイメージが
つきまとい、自然といい大学を
出た人間が集まる。

高給でハイソなイメージの
MRだが、ここにきて大きな
岐路にたたされている。

製薬会社の現状

製薬会社の仕事は、単純に言えば
薬を作ってそれを売る仕事。

だが、ここ最近の製薬会社には
大きな波が。

ニュース記事でも取り上げられて
いるのが、薬価の引き下げ問題。

薬の価格は国民の生活に直接に
影響することから、薬の販売金額は
国が管理している。

ところが、国からも「高い」と
指摘を受け、薬の価格が下がって
いるという現状がある。

今で言う携帯電話料金のような
ものだろうか。

そして、販売価格を下げられれば
当然ながら売上も減り、利益も下がる。

それでも会社を維持しなければ
ならないので、新規事業や
経費削減に動くわけだ。

そして、製薬業界にはびこる問題は
これだけではない。

ジェネリック医薬品という言葉は
今では誰もが知る言葉。

新薬を開発しても、その利権は
その後10年間ほどしかない。

10年の間に独占販売を行って
利益を出してしまわないといけない。

そして、どんなヒット商品が
あったとしても、独占販売の
期間が終わると、他社が真似て
同じ効能の商品を出してくる。

同じ効能で安いほうがいいという
のは誰もが思うところ。

こうして、約束された利益は
期間限定で終わることになる。

そのため、製薬会社はいつも
新薬の研究開発に資金を注ぐ。

ところが、原材料費の高騰や
人件費アップで、開発研究費も
増すばかり。

こうして、製薬会社の利益は
どんどん減少していくのだった。

製薬会社のリストラ事情

厳しい経営環境の中で、真っ先に
削減対象になるのが、人件費。

そもそも、MR人員は右肩上がりを
続けていた過去がある。

ここにきて、特許期間が切れるなどの
向かい風要因が表面化し、増やしすぎた
人員を整理する企業が相次ぐ。

某製薬会社では、早期退職者を
募集し、約1000人の応募が
あったという。

ネット時代ということもあり、
情報収集は医師側の意思で
行えるようになった。

つまり、説明要因の必要性が
かなり減少してきたといえる。

生保レディーがネット保険に
取って代わられている環境の
中で、MRにも同じことが。

とはいうものの、無くなることは
ないだろうというのが大方の見方。

なので、MRの中でも特に優秀な
成績を持つものや、専門的な
知識を有する人員は残るだろう。

しかし、誰でも出来るレベルで、
平凡な成績の営業マンは、将来の
不安を抱えているだろう。

そんなときに会社から早期退職を
募られれば、応募してしまうのも
無理はない。

もう花形の営業とは言えない
ようになったMR。

業界再編にも関わる事案だけに、
今後の製薬業界の動きには
注意していただきたい。

 

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