決算発表シーズンで、話題には
事欠かないシーズン。
電機大手4社が減益で下方修正とか、
大手金融機関が軒並み減益とか。
その中で、見事な復活を遂げようと
しているひとつの企業をクローズアップ。
その企業は、ガンホー・オンライン
見事な復活を遂げようとしている
伝説の企業、それがガンホー。
2005年に当時の新興市場である
大証ヘラクレスに上場し、注目を浴びた。
当時、公募価格が1株120万円に対し、
初値は420万円。
4倍の初値は珍しくもなかったが、
その後の値上がりが伝説を作った。
上場後も株価は上昇し、1株が
約2000万円まで上昇。
公募価格の約20倍と、短期間で
大きく株価を上げた伝説を作った。
それ以降、株価は低迷を続けたが、
テンバガーと呼ばれる10倍以上の
株価上昇を演じる言葉の先駆けとなった。
華々しいデビューを飾ったが、
その後の株価は長らく低迷。
そんな、「見放された」銘柄が
決算発表で大幅に上方修正。
テンバガーの再来か、とまで
囁かれる。
どんな、なんの会社?
ガンホー・オンラインとは、
どんな会社か。
テレビCMもバンバンしているので、
知名度はあるだろう。
現在では「パズドラ」という
スマホ・タブレット向けの
ゲームが中心となっている。
設立当初は、「ラグナロク」という
韓国のゲームの日本運営権を
獲得し、その収益が99%を占めていた。
ラグナロクという1タイトルの売上依存度が
大きいことから、ラグナロクの売上が
下がれば、企業収益も下がり、株価も
下降するという企業だった。
ところが、パズドラのヒットにより
企業の収益構造に大きく変化が。
オンラインゲームの企業としての
地位を確かなものとし、業界では
最大手として君臨するようになった。
設立当初、ソフトバンクなどの
資本が入っていた。
そして、当時の代表にはなんと
あの孫正義氏の弟が着任していた。
途中でM&Aを繰り返し、今では
ソフトバンクとの資本関係も
ほとんど解消し、単独の企業として展開。
親会社などの後ろ盾もない、
独自路線を展開する企業。
そんな、いわゆるサラブレッド的な
会社ではあったが、株価が落ち込んだ
原因はなんだったのか。
そして、今回の復活は
持続するのか。
株価下降の歴史
オンラインゲームを主力と
しており、ユーザーがゲーム内で
課金することでの収益がメイン。
課金ユーザー数は全体の約1〜5%程度と
言われており、そう多くはない。
しかし、その分母(総ユーザー数)を
増やせば増やすほどに、課金ユーザー数も
増えるということで、予測が立てやすい
事業でもあった。
ところが、問題はその総ユーザー数。
何でもそうだが、人間は「飽きる」生き物。
一旦はゲーム内で課金したりと
ガンホーにとって上客だったユーザー。
次第に飽きてくることで、ゲームから
離れ、課金されなくなる。
総ユーザー数も、ある程度まで
いくと、そこから徐々に下がる。
新しいタイトルをヒットさせないと
企業の今後は見えないとまで言われていた。
では、今回の上方修正の内容は
どうなのか。
残念ながら、新しいヒット商品を
生み出したわけではない。
既存の収益母体であるパズドラや
ラグナロクのテコ入れにより、
ユーザー数が戻っただけ。
まぁ、それが素晴らしいことではあるが、
企業の今後、という目線で考えれば、
同じタイトルが未来永劫続く
わけではない。
それでも、株価は大きく上昇した。
このまま復活となるかもしれない。
もちろん、投資判断は自己責任で。