厳しい経営が続くJDI。って、どんな会社?なんの会社?

JDIことジャパンディスプレイ株式会社。
2013年に東証1部に上場したが、
未だ黒字決算を迎えたことはない。

この会社の詳細や経緯を
今一度振り返ってみよう。

そして、今後の焦点は
どこにあるのか。
お騒がせニュースを知ろう。

まずは会社の概要

会社名の通り、液晶ディスプレイを
製造しているメーカー。

世界シェアをもっているが、
大型ではない。中型でもない。

小型、つまりiPhoneの
液晶ディスプレイの大手。

数年前までは、東芝や日立などが
それぞれ別々に製造し、シェア争い
を行っていた。

日本政府としては、国内企業が
争うよりも、世界に向けて手を
繋いでシェア拡大を狙う目的で
統合を推し進めた。

ソニー・東芝・日立の液晶部門を
統合し、それに国の資金も投入して
日本を代表する液晶製造会社が誕生した。

華々しいデビュー。
まさに、日本を代表する企業。

企業データ

それでは、売上等の
企業データを見てみよう。

売上は1兆円をやや下回る。
2016年で9,891億円。
2017年で8,844億円。

アップルからの受注を見込んでいた
案件が無くなり、売上は下がった。

資本金は986億円だが、
2014年に国から2,000億円の
お金が注入された。

2016年以降も追加で750億円が
国から注入されている。

その資金もなくなりかけており、
つい最近では融資として1,100億円を
国の機構が保証する形式で借入が決定。

現在では、国の機構である
産業革新機構が、35%程度を保有する
筆頭株主となっている。

ちなみに、産業革新機構は
一応は株式会社の形態をとっており、
事業内容は「投資事業」。

株主には95%以上で
「財務大臣」が名前を連ねている。

今までの経緯を物語風に。

J=JDI A=Apple

国1「サムスン電子みたいな、
  国を代表する会社作ろうぜ。」
国2「いいんじゃね?けど、どんな会社?」

国1「液晶とかいいじゃん。日本は
  ものづくりに強いよね。
  ものづくりニッポンの会社、みたいな?」
国2「おーいいねー。じゃあ、そうしよう」

国「液晶製造の諸君。
 君たち、統合したまえ。
 俺たちも金は出してやるから。」
日立「は?」
ソニー「は?」
東芝「分かりました、お上の
  言う事なら。」

こうして、日本を代表する
「日の丸液晶」の会社が誕生しました。

J「俺たち日本を代表する会社、
 その名もジャパンディスプレイ!
 JDIって呼んでくれよな!」
投資家「国のバックアップ付きなら
 なんとかなるか。よし、株買っておこう」

J「Appleさん、今度の新型iPhone、
 うちの液晶使ってくださいよ。」
A「いいよー」
J「あざーす!」

J「今年はAppleさんに
 買ってもらえそうなので、
 黒字の予定っす。」
投資家「ほうほう、順調ですねー」

数ヶ月後・・・

A「ごめん、もう他のやつに決めちゃった。
 JDIさん遅いんだもん、開発・・・」
J「えー、それないっすよ!
 どうにかならないっすか・・・」
A「うーん、むーりー」

こうして、黒字決算の予定が
赤字になりました。

A「こないだはごめんね、その代わりに
 工場作ってくれたらおたくから
 買うことにするから」
J「わかりやした!
 儲かってなくて厳しいっすけど、
 なんとか工場新設します!」

こうして1,900億円を投じて
新工場が建てられたのだが・・・

A「やべぇわ。新型iPhone売れねぇわ。
 JDIさん、液晶の発注、こんだけでいいわ・・・」
J「えー、まじっすか!
 たったのこれだけじゃ、
 工場建てた費用も回収できないっすよ!」
A「売れないもん、仕方ないじゃーん」

J「予定通りの売上たちません。
 工場の建設費用とか、人件費とかで、
 もう金がないっす。貸してください」
銀行「いやいや、貸しても返ってくるか
 わからんでしょ。厳しいですねー」
J「大丈夫っす。国が保証しますんで」
銀行「それならどんだけでも貸しますわ」

こうして、1,100億円の融資枠が決定。
そして、経営改善のため、リストラを
決意したのだった。

と、ここまでが最近までの流れ。

今後はどうなる?

今のところ、明るい兆しはない。
株価は昨日現在の終値で180円。

年初来安値を目下更新中。
だが、上場来安値まではいっていない。

同業種で似た境遇にあったSHARPは、
鴻海に買われた後に業績を急回復させ、
一時87円まで下げた株価は
382円まで上げている。

JDIも業績の回復の兆しが見えれば
株価が戻り高値を試す展開も見える。

あくまで、業績の回復の兆しが
見えれば、という前提だが。

100株単位で180円、つまり
18,000円の投資。

手を出しやすい価格まで
下がっている。

国が入り込んでいるので、
そうそう簡単に倒産とは
ならないだろう。

今期も赤字決算を見込んでいるが、
来期の黒字化は模索中。

リストラ効果などで
黒字に転換できれば・・・
時間はかかりそうだが。

 

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