応用:石油の価格は誰が決める?石油の価格が直撃!?石油が安くなったら儲かる会社と損する会社。

おさらい:石油製品の誕生ヒストリー

1年生カリキュラムでは、石油製品の誕生ストーリーを、
2年生カリキュラムでは、各工程で活躍する会社について学習しました。

石油の価格は、いろんな業界に影響を与えます。
3年生カリキュラムでは、石油の価格の変動と
それによって影響を受ける会社について学習します。

石油の価格は誰が決める?

石油の価格は、サウジアラビアの国王が
決めるわけではありません。(笑

株なら証券取引所で株式の価格が決まりますよね?
石油は、WTIという石油取引所で値段が決まります。

WTIは、ウェスト・テキサス・インターミディエイト
(West Texas Intermediate)の略です。
テキサスから分かるように、アメリカにあります。

石油は、バレルという単位で取引され、
1バレルは約160リットルです。

本日のWTI原油先物(げんゆさきもの)は、
1バレル80円で取引されています、という言い方になります。

石油の価格も変動する

石油の価格は、株と同じで常に変動します。

将来的に石油の需要が増えそうだし、買い貯めておきたい
という投資家が増えれば、石油の価格は上がります。

もう石油は時代遅れだし、他のエネルギー資源に投資しよう
という投資家が増えれば、石油の価格は下がります。

石油の価格が与える影響

ガソリンや灯油だけでなく、
プラスチック製品や化粧品にも石油が使われています。

石油の値段が高くなるということは
原材料費が高くなるということなので、
販売商品の価格自体も値上げが必要になってくるわけです。

石油が安くなると儲かる業種

燃料の石油といった原材料費が安くなれば、
利益を出すことができる業種ということですよね。

ガソリンをいっぱい使う航空業界や運送業界

航空業界や運送業界では、
ガソリンなどの燃料を常に大量に使います。

会社の業種
航空業界 JALやANAなど
運送業界 ヤマト運輸やトナミ運輸など

火力発電のために燃料を使う電力会社

電力会社では、火力発電のために燃料を使っています。

会社の業種
電力会社 関西電力や中部電力など

紙を作る工程で石油を使う紙・パルプ会社

紙って木からできていますが、
使われている木材はほとんどが輸入木材です。

なので、それを運ぶための船やトラックには
燃料が必要ですよね。

次は木材を切らなければいけませんが、これも機械で切るので
ここにも燃料が必要になります。

木材を細かく砕いた繊維(パルプ)は、
また別の機械で乾燥させることになります。

このように、紙・パルプ業界では
原材料ではなく、その工程で石油が多く使われているんですね。

会社の業種
紙・パルプ会社 王子ホールディングスや中越パルプなど

石油が高くなると儲かる業種

燃料の石油といった原材料費が高くなると、
どんな会社が利益を出すことができるのでしょうか。

石油離れになってくれると嬉しい鉱業

あまり聞き慣れない業種ですが、
鉱業とは石炭とかを掘っている会社です。

石油が高くなると、石油を使いたくなくなります。
石油の代わりに石炭を使う、ってこともあるわけです。

会社の業種
鉱業 住友金属鉱山や宇部興産など

石油の胴元、石油を卸している会社

石油をサウジアラビアとかの国から日本に輸入し、
いろいろな会社に小売している石油の胴元のような会社です。

こういう会社は、1バレルの石油金額に対して
あらかじめ決めた掛け率で販売しています。

例えば、1バレル50円の3%をプラスする場合、
50円で仕入れて51.5円で売るわけですから、
1.5円の利益ですよね。

でも、1バレルが100円になると、
100円で仕入れて103円で売るわけですから、
利益は3円になります。

石油の価格に対する掛け率が固定しているので
石油の価格が高くなれば儲かるのです。

会社の業種
石油卸業 三菱商事や三井物産など

原油を掘削する石油プラント建設の会社

石油が高くなりすぎると売れなくなります。
価格を下げるためには、石油の在庫を増やす必要があります。

在庫がないのに価格を下げてしまうと、
売り上げがなくなってしまいますからね。

在庫を増やすためには、油田での採掘が必要です。
2年生カリキュラムで学習したように、
油田を採掘するために必要な技術と機械
石油プラント建設という業種でしたね。

会社の業種
石油卸業 日揮(にっき)や東芝プラントシステムなど

まとめ

石油はわたしたちの生活に
とても密着していることが分かりましたね。

車通勤をしているモモコにとっては
ガソリン、リッター100円きってくれるとメッチャ助かるのですが…。(笑

石油は…
  1. 石油の値段が高くなると石油元売りや他エネルギーの業種が儲かる。
  2. 石油の値段が安くなると石油を使っている業種が儲かる。
  3. 石油の価格はWTIで取引されている価格で決まる。
 

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