消費税10%までいよいよ
残り1ヶ月となった。
今回は軽減税率というものが
同時に適用されることで、
一筋縄ではいかない。
消費税増税の経緯
今更だが、消費税が増税される
経緯を見てみよう。
平成元年4月に税率3%で
始まった消費税。
当時のブーイングもそれなりに
ひどかった。
すべての商品に対して税金が
かかるという、なんともひどい
税金がスタートしたと。
だが、世界的にみても消費税
という税金は一般的で、政府から
すれば念願の税金といえる。
3%という税率は、既に消費税を
展開する他国と比べると
かなり低い税率だった。
なので、消費税に慣れてきたら、
段階的に税率をアップする
ことは初めから想定されていた。
そして平成9年4月には税率
5%にアップ。
更には平成26年に8%へと
引き上げられ、今年10月には
遂に10%へと増税される。
お上が決めることなので
抵抗しようにも出来ない。
消費者としては甘んじて
受け入れるしか無い。
モノを売る側も、お客さんからは
文句を言われ、増税分をもらう
努力をするハメになる。
中には税込価格を据え置く戦略を
取る企業もあるが、それは単に
企業側が増税分を負担しているだけ。
増税のたびに販売側には
それなりの対応を求められて
きたが、今回は少し厄介なものに。
軽減税率というもの
今回の増税は、様々な国民の批判を
和らげる目的で、軽減税率なるものが
同時に適用されることに。
だが、それが少し厄介なもので、
生活必需品に関しては従来の
8%をそのまま適用という。
生活必需品という曖昧な線引の
ため、具体的にどの商品が
軽減税率の対象になるのかを
細かく分ける必要がある。
ニュースでもたびたび取り上げられるが、
食料品などは基本的には8%。
だが、外食にあたるものは10%が
適用される。
外食は生活必需ではないという判断。
ここで困るのが、スーパーなどで
併設されるイートインコーナーの
利用時だ。
スーパーで買ったものを店内の
飲食スペースで食べる場合は
10%になるため、購入時には
申告が必要。
だが、実際には、うまく機能しない
だろうと思われる。
購入側からすれば、たとえイートインで
食べるつもりでも申告しなければ
8%で購入できる。
申告せずに8%で購入したあとに
店内の飲食スペースで食べると、
「脱税」にあたる。
だが、お店側がそれを見つけて、
8%で購入済みの商品を10%で
もらい直すということは考えにくい。
消費者側の良心に任せるという
なんとも不安定な増税となる。
小売店の対応が大変
食料品は基本的には軽減税率の
対象となる。
だが、ビールなどの種類に関しては
嗜好品という位置づけで10%。
同じ店内で購入したとしても、
8%と10%が混在することになる。
お店側としては、商品ごとに
8%か10%かを分ける必要があり、
結構大変なことに。
今までのレジでは、一律の税率を
登録できたが、今回の軽減税率に
よってレジを新しくしないといけない。
レジ購入に対しての補助金が
出るが、レジ自体がそれなりに
費用がかかるので、出費もある。
登録し直す作業も必要だし、
従業員に対しての教育も必要。
商店主からは、どうせ増税するなら
一律10%にしてくれればいいのに、
と不満の声も続出。
消費者に対しては軽減税率という
もので批判を抑え込む形だが、
そのしわ寄せは商店の方に。
それ以外にも様々な対応が
迫られることになるので、
今から1ヶ月は大変だろう。
駆け込み需要もあると思われるので、
9月の経済は活発になりそうだが。