旅行代理店大手のHISが
ホテル事業拡大を目的に
行ったTOB。
だが、結果は失敗に。
失敗までの経緯と、その後の
HISの動きを予想してみよう。
HISのユニゾHDへのTOB
もともとユニゾHDの株式を
4.7%持っていたHIS。
旅行業を展開するにあたり、
ホテルとの連携は有効だった。
HISは「変なホテル」なども
展開し始めており、ホテル事業に
乗り出している。
そんな中で、既にホテル事業を
展開しているユニゾHDとの
連携では満足しなかった。
自社の傘下に収めれば、ホテルとの
連携が強化できるし、HISの
ホテル事業を急速に推し進める
ことも可能との見方だった。
HISは事前協議をユニゾHDに
申し入れてはいたが、話し合い
には応じてもらえていなかった。
それで、やむなくTOBを
発表した、という流れ。
ユニゾHD側の動き
この突然のTOB表明に対し、
ユニゾ側は反発。
HIS側に質問状を送付し、
TOBの経緯やTOB後の戦略
などを吟味。
一旦は反対ではなく留保という
立場で検討に入ったが、やはり
納得がいかなかった様子で
敵対的なTOBに発展。
もともと3100円で買いますよ
というTOBだったが、更に高い
4000円での買付をしますという
アメリカのファンドを味方につけた。
ホワイトナイトというTOBの
対抗手段の発動として注目を
浴び、HISのTOBが頓挫した。
そして、8月23日の期限により
HIS側は「TOBは失敗で終了」の
発表が行われた。
どう出る?HIS
TOBの失敗により、HIS側の
ホテル事業の加速は失敗。
だが、事業の中核に位置する
旅行業は終わらない。
今後もホテル事業を展開する
企業との連携は必須。
自社のみで着実にホテル事業を
歩んでいくのか、それとも別の
ホテル事業のM&Aを模索するのか。
ただ、目先のTOB失敗で、HISに
とってはマイナスはない。
傘下に収めることが出来なかったの
は残念でならないだろうが、ユニゾ
HDの株価は急上昇した。
既に4.7%程度保有している
株が値上がりしていることで、
HISの含み益も上昇。
今後はこの保有分を売却する
のか、保有し続けるのか。
どちらにしても、TOB発表前
よりも価値が上がっているので、
HISは次の一手を打ちやすく
なっている。
一方のユニゾHDは、ホワイトナイトの
発動によりアメリカ系投資ファンドに
身売りすることになる。
経営の独自性を尊重すると
言われつつも、買収されることに
変わりはない。
外資系の企業となるわけだが、
ユニゾHDからすれば、とばっちり。
TOB失敗だが、したたかに次を
狙うHISと、結局は買収される
ユニゾHD。
やはり、M&Aを狙われた時点で
無傷でいられることはない。