国際石油開発帝石が
サウジアラビアの油田の権益を
更新したというニュース。
そもそも、この会社って
何をしてる会社?
権益って何?
今日は石油業界のお話。
日本の石油会社
石油と聞けば、サウジアラビアを
思い浮かべる人も多いだろう。
現に、日本の石油事情は
99.7%を中東諸国からの
輸入に頼っている。
しかしながら、日本には
れっきとした石油会社が
存在している。
今回のニュースにも名前が出た
国際石油開発帝石と、もうひとつは
石油資源開発という2社。
もちろん2社とも上場しているが、
少し特殊な会社だと思っていい。
それは、この2社の筆頭株主
(一番の株主)が経済産業大臣
になっているということ。
つまり一言で言えば、
民間企業でありながらも
国の管轄下にある会社。
そして、国際石油開発帝石などは
上場企業の中でも唯一「黄金株」
を発行している会社。
※黄金株とは、その名の通り
通常の株と比べて特権を
与えられた株式
株の専門用語が飛び交うが、
早い話が特別な会社だ。
さて、そんな会社も売上がある。
国際帝石で約1兆円、石油資源開発で
約2,000億円の売上。
一体何をして稼いでいるのか。
油田の権利を買っている
油田とは、その名の通り
石油の田んぼ。石油が取れる
場所のことである。
その油田を買っているわけだが、
「権益」という言葉も知っておこう。
例を挙げてみよう。
A君が持っている空き地から、
石油が発見された。
詳しく調査すると、
埋蔵量も相当なものだった。
1年間で1億円分の石油が
出ることが分かった。
しかも、50年間は出続ける量。
しかし、A君はお金がないので
掘り出すことが出来ない。
それを聞いたB君が、
「A君、その空き地の権利を
俺に50年分30億で売ってくれ」と言った。
ところが、C君もその情報を
聞きつけ、「A君、俺に空き地の
権利を50年分30億で売ってくれ」と言った。
A君は、B君ともC君とも仲良く
したいので、「空き地の権利を
半分ずつ売ってあげる」と言った。
B君とC君は、50年間分の権利を
15億円ずつ出して、空き地の権利を
半分ずつ手にすることになった。
そして、B君とC君で共同で
石油を掘り出し、仲良く儲けた。
権利を買って、その権利から
利益を得る。この利益を「権益」という。
そう、特別な2社は、この
権益が売上になっている。
権益は期限付き
上記の例で言えば、
50年間分は権利を買っている。
50年が経過した際に、
「まだまだ出る」ことが
わかれば、この期限を延長
する交渉をするわけだ。
A君は、石油が出続ける限り
何もしなくてもお金が入ってくる。
油田を掘り当てれば
一攫千金の大金持ち、
の由来はここからだ。
今回のニュースも同じことで、
元々権益を買っていた油田があり、
期限が迫ってきた。
まだまだ石油が出ることが
分かり、期間を延長したという。
少し分かりにくい石油業界の
話だが、石油製品に囲まれて
生活をしている我々には大事なこと。
石油の大元の仕組みを
理解しておくといい。