東芝の問題って何?(2)〜上場廃止か、復帰か。鍵を握るのは「不正」か「不適切」かの違い

前回に引き続きです

どうなる東芝?

さて、この不適切会計が発覚して、
今後はどうなるのでしょうか。

不適切会計が発覚し、修正した決算が
大幅な赤字であることが発表されると、
当然株主は失望して株を売ります。

「赤字でも頑張るっていうなら
まだマシだけど、隠すって・・・
コイツはもうダメだ・・・」

それでも東芝を応援する人たちがいるので、
売られたけど持ちこたえていた。
ところが1年たって次の決算発表で、
不適切会計したときよりも赤字が膨らみそう。

「あー、応援したかったけど、
ここまできたら難しいかなー」

と、第二弾の失望売りにつながる。
これが最近の話ですね。

大幅な赤字が続いたので、
今度は企業のもつ余剰金(貯金みたいなもの)が
なくなり始めます。

これはやばいということで、
金融機関に「お金貸して!」と
言っているのが今の現状です。

どうなる東芝?パート2

この不適切会計、これって粉飾決算じゃないの?
と目を光らせているのが、東京証券取引所。

上場企業に課している条件に、
「悪いことしちゃいけませんよ」という
約束事があります。

その中の一つに「決算は嘘ついたらダメよ」
というものがあり、これに抵触してるんじゃない?
故意じゃない?だったら、退場処分なんじゃない?
ということで、論議がなされています。

粉飾決算であると認定されれば、
上場は廃止(退場処分)されます。

退場処分かどうかの最終審議までいくと、
「監理ポスト」と呼ばれる部類分けをされます。
一般投資家に、「こいつは容疑者だよ、
買うならその辺を分かって買ってね」と
知らしめるための場所です。

そこで審議を待ち、許されれば現役復帰、
許されなければ退場処分として、
「整理ポスト」と呼ばれる牢屋入りとなります。

この整理ポストは、一般投資家に対して
「退場処分になるので、もうここでは
売れなくなります。今のうちに売っておいてね」
という場所です。

上場廃止・監理ポスト・整理ポストについてはこちら

上場廃止になると、どうなるの?

上場廃止ということは、
お店に商品が並ばなくなる、ということです。

八百屋さんがある農家から
無農薬の人参を仕入れて販売していましたが、
ある日お客さんから「農薬入ってるじゃん!」と言われます。

八百屋さんはお店の信用を考えて、
その農家からの仕入れを辞めます。これと同じですね。

ちなみに、こんな場合もあります。

無農薬と聞かされていた人参に
農薬が入っていたことでクレームにはなりましたが、
それでも美味しいしよく売れる。

売れる商品を置いておくことで
八百屋さんは儲かるので、農家に対して、
「無農薬って言葉は削除しますし、
仕入れも今までの半額になりますが、
それでもよければこのまま取引しましょう」

どっちにするかは東京証券取引所の判断ですね。
以前粉飾決算をしたオリンパス(7733)
という会社がありましたが、
後者の判断となり、今でも元気に上場しています。

 

こんな記事も読まれています

人気の学習カリキュラム

教えて編集長!投資に関する疑問にお答えします
  • 無料会員受付中入会費ゼロ年会費ゼロいますぐ登録
  • 12ヶ月ベーシック会員なら9800円で1960円OFF

マネヤックセミナー情報はこちら

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です