携帯電話大手3社の株価が
揃って急落した。
引き金となったのは、
ある人物のある発言。
それは、私達消費者にとっては
歓迎されるべきものだった。
いったい誰が何を言った?
言ったのは、菅官房長官。
そう、テレビでよく見る
あの人だ。
札幌市内で行われた講演会の席で、
氏が発言した内容はこうだ。
「携帯電話料金は4割程度
下げる余地がある。」
菅官房長官は、昔は総務省の大臣を
務めた経緯がある。
携帯電話などの電波を管理
するのが総務省。
そこのトップをやっていた際に、
海外の携帯電話料金と比べて
日本の携帯電話料金が高いと
おっしゃられている。
事実、日本は平均で8,000円程度の
携帯電話料金がかかっている。
ところが、イギリスでは同じ内容で
比較すると3,000円以下。
高い国と安い国で、ここまで差がある。
なるほど、確かに下げる余地があるかも。
今回は菅官房長官の一言で、
何らかの国の施策が入り込んで
携帯電話料金を下げると思われた。
携帯電話料金が下がる=携帯電話各社の
収益が悪化=株価下落の流れだ。
ただ、実際に4割もの金額が
簡単に下がるわけではない。
下げるかどうかの判断は、
携帯大手3社独自の戦略で打ち出される。
本当に下がるの?
携帯大手3社も、値下げの
様相を見せている。
だが、今までの安定的な収益を
自らすすんで捨てることはしない。
下げざるを得ない、強制力の
はたらく出来事がないと
そうやすやすと下がらない。
じゃあ、今回の菅長官の一言は
あくまで願望?とも思ったが、
そうでもないっぽい。
それは、今度新たに携帯電話事業に
参入を表明した楽天の存在がある。
楽天が市場参入をするとき、4番手と
して登場することになる。
後発組は、先発組のサービスに対して
画期的なサービス内容の違い、もしくは
画期的な料金体系がないと、
シェア獲得が困難。
十中八九、楽天が扱う携帯電話料金は
安値で発表されるだろう。
そうなれば、携帯大手3社は
安値を追従しないと顧客を持って
いかれるので、急いで値下げに
踏み切るだろう。
菅官房長官は、この背景を元に
4割下がる余地がある、と発言
したのだろうか。
そもそも楽天の参入って
楽天が許認可を受けるまでに、
他の参入はなかったのか。
全く無かったわけではないが、
国が管理する電波を利用するので、
当然ながら許認可を受けるために
様々な制約が存在する。
ここで注目したいのは、
楽天が電波の使用を申請し、
それが通ったことだろう。
楽天が参入することで価格競争の
原理が働き、他の携帯3社も、
値下げを始めるとの見方。
そう思えば、楽天の参入は、
菅官房長官の「携帯電話業界の
改革」には必須の引き金。
楽天の携帯参入の裏には、役人の影が
あるとかないとか。
まぁ、総務省の思惑と
楽天の思惑が合致した結果だろう。
我々消費者にとっては喜ばしい
ところだが、事業者側からすれば
たまったものじゃない。
携帯大手3社の株を
保有している人は、要注意だろう。