石油のほとんどを輸入に頼る
我が国ニッポン。
そんな国のニュースで、
イランからの石油輸入が
止まるというニュースが。
これってヤバイの?
どんな影響があるの?
石油の動向は重要。
石油輸入ストップの経緯
一言で言えば、原因はアメリカの
トランプ大統領によるイランへの
経済制裁。
アメリカが、「イランとの取引やめまっせ。」
とイランに圧力をかけた。
目的はさておき、アメリカと
仲の良い姿を演じている日本も、
その姿勢を追随する必要があった。
「いやぁ、ボスがおたくと
取引するなって言うもんで・・・」
という感じ。
とばっちりと言えばそれまでだが、
石油のほとんどを輸入に頼る
日本にとっては、嬉しくない。
供給が減り、需要は今までの
ままとなれば、石油価格は
上昇することになる。
そして、企業の多くは石油を
何かしらで使っている場合が多い。
燃料として考えれば、電力会社や
輸送関係などは直撃。
プラスチックや化粧品、紙パルプ
などの業種も影響を受ける。
石油価格で影響を受ける産業が
多いので、石油価格の上昇は
企業業績の悪化に直結する。
企業業績の悪化は、日本の
株式市場の下落につながる。
さて、今度は影響の程度を
みてみよう。
日本の石油輸入元
イランから石油を輸入している。
しかし、イランだけではない。
石油産出国と呼ばれる国は
いくつか存在する。
では、大まかな数字を
見てみよう。
日本の石油輸入ランキング
1位・・・サウジアラビア 約6,800万kl
2位・・・アラブ首長国連邦 約5,000万kl
3位・・・カタール 約1,800万kl
上位3国に、イランは入っていない。
イランからの輸入量はいかほどなのか。
イラン・・・4位で1,300万kl
なんと、4位に登場。
これは、かなり影響があるのか?
と、ここで日本の総輸入量に
対する割合で見てみよう。
サウジアラビア・・・35.7%
アラブ首長国連邦・・・24.4%
カタール・・・9.2%
イラン・・・6.9%
つまり、日本国内の石油のうち、
6.9%が輸入ストップとなる。
輸入がストップした分に関しては、
別の国から調達することになる。
今回のニュースの影響は?
前述した通り、日本の石油事情に
よると、大した割合ではない。
しかも、別の国からも輸入が
出来るので、特に大きくは困らない。
だが、影響が出ないのかと言えば、
そうでもない。
ニュースを見て、石油を投げ売る
投資家も出ることだろう。
ただ、石油に投資をするのは
ある程度の知識を持っている
人が多い。
投げ売りをするのは、上述した
状況を把握出来ていない一部。
なので、実質的な意味合いとしては、
そこまで原油価格が上昇するような
ものではない。
ただし、相場は実際の需要と
供給以外にも、「思惑」でも動く。
今回のアメリカによるイランへの
経済制裁が、他国にも及ぶような
危険性があった場合には、容赦なく
石油価格は上昇するだろう。
現在、石油価格は1バレル70ドル程度。
昔は100ドルを超えていた時期も
あれば、30ドルを下回った時期もあった。
ちょうど真ん中の水準であり、
売られ過ぎでも買われすぎでもない。
今回のニュースだけでは、
そこまで大きく相場は動かないだろう。
もしそれでも上昇するとすれば、
それは実態とは異なった価格上昇で、
逆に投資タイミングとしては
いいのかもしれない。
もちろん、売り。
相場下落を期待する格好だ。
あくまで大きく上昇したらの話だが。
そして、最終的な投資判断は
自己責任で。