イギリスによるEU離脱の
影響について、何回かに
分けて書いておく。
それほど、大きな出来事だと
認識していただきたい。
まずは、経済への影響について。
イギリス経済への影響
まずは当の本人、イギリスが
どんな影響を受けるのか。
EUの中でも裕福な部類に
入る、イギリス。
EU圏内での輸出は、イギリスの
売上の50%を占める。
EU離脱によって、その輸出が
なくなるわけではない。
しかし、今まではEUの協定で
圏内の国への輸出には関税が
かからなかった。
例を挙げて説明しよう。
イギリスで作られる鉛筆が
あったとする。
1本の原価は10円、販売経費が
40円かかっていた鉛筆。
イギリス国内では100円で販売され、
1本の利益は50円。
この利益は、製造者、卸業、小売業
などがそれぞれ持っていく。
通常であれば、他国へ輸出する際には
関税がかけられ、原価が50円から
70円に。
すると、国内販売と同等の利益を
確保するためには、他国では120円で
販売しなくてはならない。
そうなれば、同じ鉛筆なのに
イギリス国内では100円、他の
国では120円になる。
そんなことにならないように、
EUは圏内での輸出に関税を
設けなかった。
イギリス国内で販売される金額と
同様の金額で、他国でも販売される。
鉛筆の販売事業者は、イギリス国内と
同様の条件でEU圏内へも販売が
可能となり、商圏が広がる。
ところが、EUから離脱することで
この関税無しという恩恵を受けられなくなる。
そうなると、当然ながら他国での
販売金額を引き上げることになるが、
値上げすることで他の商品との
優位性が薄れ、販売量が減る。
販売量が減るとまずい、ということで
小売価格を今までと同等にすれば、
関税分がまるまる経費として追加。
今までは50円の利益だったものが、
30円の利益しかなくなる。
一本あたりの利益を減らすか、
販売本数を減らすか。
どちらにしても、イギリスの鉛筆
関連会社にとっては経営への
圧迫要因となる。
このように、イギリス国内の
輸出に絡む企業は、EU脱退は
勘弁してほしい内容だ。
イギリス議会への働きかけも?
先日の議会でのEU離脱案の
否決には、そんな国内事業者の
影響は大きいだろう。
国全体を考えればEU脱退でも
いいかなと思っていたが、
いざ自分の会社への影響を
考えると・・・という感じ。
そんな、直接的なEU離脱による
影響を受けそうな事業者関連は、
多く存在する。
いくら国民投票とはいえ、
国内の企業で働く人が大半。
自分が働く企業が不利益を受け、
その結果自分の給料まで下がる。
挙句の果てに倒産とか・・・
当然だが、誰も望まない。
なので、一旦は離脱しようぜって
決めたけど・・・という感じだろう。
国内事業者への影響がどんなものか。
そして、現在の株価はEU脱退のときの
経済下降を織り込んでいる。
EU脱退が撤廃されるとかが
あれば、イギリス経済は今までと
変わらず活況を迎える。
そうなれば、株価は上昇するだろう。
そんな予測が立てられる。
まずは、イギリス目線での
EU離脱の影響を見てみた。
明日は、国際社会から見た
EU離脱の影響を書いてみよう。