エンゲル係数についての記事が出ていたので、
今日はそれを題材にしてみよう。
「エンゲル係数」は、学生時代に
授業で出てきた記憶があると思うが、
もう忘れてしまっている人も多いと思う。
要は、「家計に占める食費の割合」だ。
手取り20万円の家庭があり、食費に5万円を
費やしていたとすれば、エンゲル係数は25%となる。
そのエンゲル係数が近年上昇しているという。
それは何を意味し、今後の流れはどうなるのか。
記事を参考にして解説してみよう。
記事の要約
紹介されていた記事がいささか長いので、
分かりやすく噛み砕いてみよう。
以下、記事を要約
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最近4年連続でエンゲル係数が上がっている。
29年ぶりの高い数字が出ている。
本来は、エンゲル係数が高いほど
生活が苦しいという理屈だ。
近年の上昇の原因はいくつかあるが、
例えば食料品の値上がり。
原材料費の高騰や、円安による輸入品の
価格上昇などが、そのまま商品価格の上昇に
つながり、食費が上がっている。
もうひとつは、収入の減少。
若い世代の収入は増加しているが、
社会保険料などの上昇で、手取り額が
あまり変わっていない。
さらには、高年齢化で低所得になった
高齢者が増えたので、すべてを平均すると
収入は減少しているのだという。
しかし、別の視点では食料品の購入の様式に
「惣菜」や「レトルト」「冷凍食品」などの
調理を必要としないものの販売額が増加しており、
食事に対して高付加価値を求めた結果だという。
この視点でいえば、逆に裕福になったと
見るべきだろう。
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さて、あなたならどう?
なるほどーと思いながら記事を読んでいたが、
では自分の家庭を省みると、どうだろう。
主婦の方ならなんとなくイメージが出来ると思うが、
既婚の男性陣には全くもって想像がつかない。
惣菜も買うし、レトルトで済ますこともある。
家計に占める食費の割合は家庭環境によりけり。
養う人数が多ければ、エンゲル係数が高くなる。
年々上昇している、というのは、単に子供が増えたから、
としか考えれない。
私個人の結論としては、平均のエンゲル係数を
知ったところで、何の役にも立たない、ということ。
しかし、この記事を読んで思ったことはある。
手取り20万円の家庭は、食費以外で15万円が残っている。
しかし、それ以上に支払いも増えているのではないか、
ということ。
家計の支出
ペルソナ(ある人物・家庭を具体的に想定し、
その人物・家庭の気持ちになって考えるマーケティング手法)で
少し考えてみよう。
・35歳夫婦、子供二人(小学校3年生と年長さん)
・アパート暮らし、共働き(夫は正社員、妻はパート)
・夫は月収30万円(手取り25万円)、妻は月8万円。
こんな家庭を想定してやってみよう。
まずは家賃。田舎のアパートで、月6万円としよう。
そして車。ローンで購入、返済額は月3万円。
ガソリン代で月に2万円。
次は保険。月に2万円。
教育費。子供の習い事や給食費・保育費などで、
月に5万円。
食費に5万円。
夫婦でスマホ、プラスインターネット契約などで2万円。
水道光熱費で3万円。
今までの合計で月に28万円。
夫婦の月収は手取りで合わせて33万円なので、
まだ5万円も余裕がある。
しかし、上記に入っていないもので、「娯楽費」がある。
たまには外食もしたいし、旅行にだって行きたい。
夫婦それぞれが息抜きとして趣味も持ちたい。
夫はたまには飲みにも行くだろうし、
妻はママ友とランチもしたいだろう。
将来のために貯蓄や投資などもしておきたい。
つまり、この家庭環境では決して「裕福」とは
言えない。むしろ、キツイと言っていいだろう。
よそはよそ!うちはうち!
昔はよく親から言われたものである。
大人になって、同じことを子供に言っている自分がいる。
まぁ、人の家計が裕福なのか苦しいのか。
自分にとっては全くもって関係が無い。
例に出した家庭が自分だったなら・・・
ということで考えてみよう。
私であれば、もう少し給料の高い会社へ転職をするか、
脱サラして事業を始めるか。
支出を減らすのはあまり好きではないので、
収入を増やすことを考えてしまう。
決して強制するわけではないが、
現状維持を望む人はよろしくない。
現状なんとかやっていける水準でも、
その水準に亀裂が入ることはいつでも起こり得る。
病気、事故、リストラ。
もっと大きな何かが待っていることもある。
一気にエンゲル係数が50%を超えることもあるだろう。
そうなった時には、誰も助けてくれない。
信じれるのは自分のみ。
精神論的な話になってしまったが、
自分の家庭の経済状況を良くするには、
常に新しいことに取り組む必要がある。
ちなみにこれは企業にも同じことが言われる。
常に売上・利益を上昇させること、つまり
「成長」をしなければ、「衰退」する。
「横ばい」はあり得ない。
上場企業も、新しい販路や事業を
開拓しなければ、企業としての
価値は低くみられ、株は売られる。
新しいことに取り組む時には、それなりの
体力やリスクも伴うが、
何もしないで現状維持が、一番リスクが
高いということは知っておこう。