変わる銀行経営 消費者から見るとどう変わる?

最近の銀行、特に地方銀行が
変化を求められている。

少し前から常に言われて
きたことだが、やっと表面化
してきた、というところ。

今日は、銀行業界を少し
確認しつつ、変化を紹介。

まずは基本的なことを

銀行、と一言で言っても、
その中身は意外と複雑。

難しいことは割愛するが、
日本国内に銀行と呼ばれる
企業は100社ちょっと存在する。

多いと思った人は普通の人。
少ないと思った人は、銀行
業界に少し詳しい人、という感じ。

通常、銀行口座は持っていても
2〜3種類だろう。

それ以外の銀行とのお付き合いが
無い人の方が多い。

皆さんが日常使っている銀行は、
地方銀行と呼ばれるその地方に
本社を置く銀行がほとんど。

首都圏では、都市銀行と呼ばれる
メガバンクが多い。

業界全体で言えば、メガバンクと
呼ばれる銀行は5つくらいあり、
その中でも3大メガバンクと
呼ばれる御三家が存在する。

三菱UFJ、みずほ、三井住友の
3銀行だ。それ以外のメガバンクは
りそななど。

それ以外の地方銀行は、単純に
各都道府県に存在している。

ただし、一つの都道府県に
2〜3の銀行がある。
なので、地方銀行の総数は
100ちょっととなっている。

その他の金融機関も多数
存在しているが、銀行と
呼ばれるのはそれだけ。

そして、案外知られてないのは、
銀行の儲け方。

一般的に消費者は銀行にお金を
預けて、公共料金などの引き落としに
使っている程度だろう。

それだけでは、銀行業は
成り立たない。

やっている業務の中心は、
簡単に言えば金貸し。

お金を貸して、金利という
名の利益を得る商売だ。

お金の貸し先は企業が
圧倒的に多いが、個人向けにも
住宅ローン等が存在する。

なので、銀行の収益を考えると
如何に多くの企業や個人に、
如何に多くの金額を貸しだして、
金利を受け取れるかにかかっている。

銀行収益の悪化

上述したとおり、銀行の収益は
貸し出す金額に応じた金利がメイン。

その貸し出す金額が減少すれば
銀行の収益も悪化するわけだが、
その減少が起こっている。

いくつか原因がある。
少し見てみよう。

まず、貸し出す先が減少している。
個人よりも企業への貸し出しが
圧倒的に金額が多い。

そして、貸し出す企業が
減少している、といえる。

とはいっても、資金需要がある
企業が減ってきているわけではない。

資金需要はそれなりに旺盛で、
多くの企業が「どこから」お金を
借りるかの問題。

現在は借り手が借り先を選べる
時代で、例えば100万円借りようと
思えば、銀行や信用金庫、ネット銀行や
国民金融公庫、そしてノンバンクまである。

そして、ここが重要なところだが、
今までの銀行は貸しても返ってくる、
いわゆる優良企業にしかお金を
貸さなかった歴史がある。

貸し倒れリスク低減のために、
危ないと思われるところには
貸さない、という姿勢だ。

企業としてはリスク回避は
当然かもしれないが、苦しいときに
貸してくれなかった銀行を
知っていれば、その後に頼むことも少ない。

企業からすれば、資金を借りるのに
銀行である必要性も薄れた。

なので、単純に金利が低いところや、
身近で借りやすいところなどが
好まれる傾向にある。

そしてもう一つ、銀行収益を
押し下げる要因は、マイナス金利。

今までは貸し先が見つからなくても
消費者から集めたお金を日本銀行に
預けておけば、金利がもらえた。

ところが、日本銀行にあずけておくと
ゼロどころかマイナスになる事態に。

なので、多少金利が低くても、
企業に貸したほうが儲かることになった。

銀行各社がこぞって金利を下げ始めると、
それに合わせて貸出金利が下がる。
つまり、銀行の取り分が減るわけだ。

そして、最後にもうひとつ。
ネット専業銀行の台頭。

ネットだけで完結できる銀行が
増えてくることで、今までと
同じ銀行にお金を預けなくてもよくなった。

すると、銀行が集めたい資金が
集まらず、銀行特有の「預かり資産」
が減少する事態に。

資金移動の際に支払われる
振込手数料なども減少し、
収益悪化につながっている。

そんな時代背景があり、
銀行は今までどおりの経営では
成り立たなくなってきたのだ。

銀行の変革期に入っている

いろんな理由があるが、とにかく
銀行業は今までと同じことを
していては続けられなくなってきた。

そこで新しい取り組みが
必要になるわけだが、銀行という
特有の企業に新規事業のリスクは
風土としてはなかった。

リスクを取らない社風といえば
それまでだが、新規事業をやった
ことのない人材しか残っていなかった
ということも大きい。

その中でも、新しい取り組みが
やっと散見されるよになってきたのは、
本当にここ最近の出来事だろう。

銀行業界の異端児として
収益を伸ばしてきたスルガ銀行は、
やりすぎた経営で叩かれ始めた。

しかし、叩かれる前までは、他の
地方銀行とは比べ物にならないくらいの
高収益体質を維持してきていた。

地方銀行が生き残りをかけて、
顧客サービスを重視するように
なってきたことで、消費者の
生活にも影響が出るだろう。

地元密着の生活に欠かせない
業種なだけに、良い変革を
期待したいところだが。

 

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