今から約4年前、教育関連大手
ベネッセで個人情報が流出した件。
流出した顧客情報の数が
3500万件を超えるなど、
規模の大きな問題となっていた。
その事件の裁判が行われており、
その途中過程での話。
ベネッセという会社
まずは、ベネッセコーポレーションという
会社を見てみよう。
ベネッセホールディングスという
持株会社の傘下。
岡山県に本社を構える、教育関連の
大手企業。
東証1部に上場しており、
教育業界では圧倒的シェアで
トップの企業。
情報流出事件で一時は
赤字に転落したものの、
業績はなかなか。
売上高は4300億円の近辺を
行ったり来たりで、伸びしろが
ないようにも見える。
しかし、経常利益の伸びは
すこぶる良く、赤字転落後は
順調に経常利益を伸ばしている。
進研ゼミなどで知られる
教育関連の企業。
ちょっと変わった事業では、
出版事業としてたまごクラブ
ひよこクラブなども展開している。
大型の情報流出事件で
既存顧客の3分の1を失うなど、
大きな損害が出た。
個人情報流出の問題
そもそもの発端は、顧客からの
問い合わせが殺到したこと。
ベネッセにしか登録していないのに、
他の業者からダイレクトメールなどが
送られるようになった、など。
問い合わせ急増を受けて、
社内調査とともに警察への
届け出も行い、調査。
結果、社内及び関係会社の
人間が小遣い稼ぎのために
外部に個人情報を売っていた
ことが判明し、逮捕される。
流出が確認された先へ、
1顧客につき詫び状と500円分の
金券を送るなどの対応を行う。
そして現在、個人情報が
流出した人の何人かで
構成される顧客計185人が
精神的苦痛を訴えて係争中。
慰謝料を求めての裁判だが、
今のところは原告(顧客側)の
請求が棄却されるなどしている。
この裁判はまだまだ長期化する
様子を見せている。
裁判の焦点は?
裁判で特に議論されている点は、
個人情報の流出がどこまで
「悪いこと」だとみなされるか。
原告団は精神的苦痛という
言葉を使い、まぁ怒っている。
今回のニュースでは東京地裁の
判決として、
「お金払うほどの損害じゃ
ないでしょ、これ」という内容。
この判決には当然ながら原告団には
受け入れられないもので、
即日控訴をしている。
地裁、高裁、そして最高裁。
最後の判決まで、まだまだ
時間がかかりそう。
時代の流れにより、個人情報の
価値が昔に比べてあがっている。
個人情報保護法なる法律も
出来ているほど、時代が変わって
いる。
最終的な判断がくだされるまで
まだまだ分からないが、
現代は、個人情報流出は
大きな社会問題となっている。
昨今の個人情報流出は、各メディアに
袋叩きを受ける。
この時代の流れを敏感に
感じ取り、個人情報保護のための
企業を見つけれれば、投資対象と
なるかもしれない。