KDDI、カブドットコム証券をTOBで新たな戦略を加速

通信キャリア大手のKDDIは、
子会社を通じてカブドットコム証券の
TOBを開始する。

完全子会社化するわけではないが、
関係を強めることで金融分野の
強化に踏み切る。

この背景を見てみよう。

KDDIという会社

通信大手のKDDI。
超のつく優良企業。

携帯キャリアとしても
名前が売れており、NTTドコモ、
ソフトバンクとともに3大
キャリアとして名前を連ねる。

そんな通信大手が、次の戦略として
位置づける金融サービス事業。

もともと「じぶん銀行」などを
三菱UFJグループと一緒になって
展開していた。

今回のTOBで、金融事業の
強化をするんだとか。

通信大手だが、通信での収益は
頭打ちの状況が続いていた。

携帯事業に関しても、国主導での
値下げ論争から、楽天などの新規参入
など、収益を脅かす話題が多い。

そんな本業の中で、新戦略を進める
ことに関しては決して間違いではない。

KDDIが金融事業に乗り出し、
ソフトバンクはグループを通じて
既に金融事業を強化させている。

NTTはもともと国営企業という
足かせがあり、法律のもとで
簡単には金融事業への進出が出来ない。

NTTは金融事業などの新分野への
参入障壁があるが、本業がまだまだ
独占的な位置づけで、収益は確保出来ている。

逆にソフトバンクは通信大手の
中でも後発組で、様々なサービスを
組み合わせないと対抗出来ない。

そんな背景もあり、早くから
金融サービス事業に力を入れていた。

そして、一番中途半端だったKDDI。
通信でも十分な儲けは出るが、
NTTがいる以上、独占的な
事業にはなり得ない。

そこまで厳しい状況ではなかったので、
わざわざ新分野の開拓までは必要なかった。

ところが、儲けは出るが伸ばすのは
困難という判断があり、新分野への
テコいれがスタートした。

KDDIの後手戦略

重い腰をやっと上げた。
先行きの不安があったから。

今までは出来るのにやらなかった。
やらなくても儲かったから。

今後は、主力の携帯事業を中心に
収益の低下が見える。

新分野の開拓をせざるを得ない。
まぁ、そんな状況だろう。

少し批判的な見方になるが、
状況が悪化しそうになってきたので
動いてきた。

経営手腕としては、今までは黙っていれば
儲かっていた。

ところが、国主導での値下げや
新規参入で、黙っているとまずい
状況に追い込まれた。

結果、新規参入組との提携や、
本業以外の分野への投資。

何もしないよりは当然いいが、
何をするにも後手の戦略。

企業としての機動力に
疑問を感じる。

だが、後出しジャンケンでも
勝てるのが大企業の強み。

今ある顧客のアカウントや
金融サービスの資源を活用できる。

様々な事業者が参入する金融サービス
事業に、巨額資金をもって参入。

ソフトバンク然り、KDDI然り。
新しいサービスが展開されることは
間違いないだろう。

消費者にとってみれば、新サービスを
安価に利用できる可能性があるので、
いいことではある。

もっと早くしてよ、という感じだろう。
その発端となったのは、まさに国の圧力。

国の方針は影響力大

通信事業者への管轄は、総務省。
しかし、今回の通信事業者の
収益圧迫の大元は官房長官の発言。

大きく見れば、現状の利権商売で
あぐらを掻いている企業に対して、
大きく方向転換をさせた。

今までは、「あぐら掻いてないで、
新しいサービスを提供しなさい」と
暗に言い続けていた。

ところが、何もしなくても儲かるので
リスクを冒すことはなかった。

なので、外堀から埋めるという
大胆な戦略を取り、結果大御所の
腰をあげさせた。

ナイス、国!と言ってしまいそうな、
結果的には良かったのではと思える
国の動向。

ただし、あくまでも「うまくいけば」
という話。

下手すれば、日本企業の弱体化に
つながる悪手となり得る。

結果によっては、国の施策そのものが
批判を浴びるこの流れ。

消費者のとって有益なサービスを
提供しつつ、企業収益も確保できる
状況になれば、すべては良しとなる。

今からが正念場だが、巨人を
動かした国には称賛。
果たして成功するのか。

 

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