ここ数日は全国各地で強い雨。
おそらく、ここを過ぎれば
厳しい暑さがやってくるだろう。
外に出るだけで汗をかく。
何をしても暑さで体力が奪われる。
そんな日でも頑張って仕事をする我々。
そんな自分にご褒美といえば、
晩酌としてのビール!
こんな人も多いと思う。
さて、今日はそんなご褒美を
届けてくれるビール業界をみてみよう。
ビール業界の大手企業とシェア
さて、ビールメーカーといえば、
どんな会社が思い浮かぶだろうか。
まずイメージされるのが、
アサヒスーパードライのブランド、
アサヒグループHD。
そして、キリンラガーの
キリンHD。
サッポロ黒ラベルのサッポロHD。
最後に、エビスのサントリーHD。
この4社が、ビール業界では大手といえる。
次点としてオリオンビールなどが
あるが、今回の記事では大手を見ることにする。
4社の中で、「ビール」に限って言えば、
一番シェアが高いのがアサヒビール。
ビール全体の39%のシェアを持っている。
アサヒスーパードライの根強い人気は
未だ人々を魅了し続けている。
そして次はキリン。
キリンラガーをメインに、
国内シェアは32.4%と、アサヒを追いかける。
次いでサントリーが15.7%、
サッポロが12%と続く。
さて、皆さんはどのメーカーがお好みか。
ビール業界の動向
実は、ビール業界は減少している。
昨年度に続き、ビールの出荷量が
減少を続けている。
理由は様々なものが言われているが、
若者のビール離れとか、他のアルコールの
消費量が増えたとか。
理由はともかくとして、国内の
ビール業界は明るいとは言えない。
しかしながら、ビールメーカー各社の
業績はというと、軒並み上昇を続けている。
そのカラクリとは?
ビールメーカーの戦略
各社とも、売上は横ばいか、もしくは減少
している。しかし、経常利益は上昇を続ける。
国内ではなく、海外で売上をあげている
ことが要因。
数年前より、ビールメーカー各社は
世界市場にうってでている。
今では、キリンやサントリーは
海外の売上を全体の3割程度まで
増やしている。
会社規模は?
誰もが知るメーカー各社の社名。
では、その規模はどのくらいだろうか。
俗的な言い方でいえば、「すごく大きい」
企業になる。
4社でもっとも売上規模が大きいのは、
キリンHDの2兆超。
ここでご注意いただきたいのは、
企業規模で見ると、ビール以外の飲料等も
入ってくる。
キリンなどは、「午後の紅茶」や
「生茶」なども含まれる。
アサヒグループHDが1.7兆円。
サントリーが1.4兆円。
サッポロHDが5,000億円。
キリンの2兆円という売上規模は、
上場企業の中では50〜60位くらい。
参考程度に、売上1位はトヨタで28兆円。
トビ賞として、10位が豊田通商で8兆円。
30位が出光興産の3.5兆円、
50位がJTで2.2兆円。(いずれも4月の段階で)
まぁとにかく、大企業ということ。
なぜこんな話をしたかというと、
海外戦略のために、M&Aをしている
ことを言いたかった。
各社のM&A戦略
海外戦略にM&Aは欠かせない手法。
そして、大企業が買収する企業規模も
相当大きいもの。
アサヒグループHDは、矢継ぎ早に買収を進め、
買収総額は1兆円を超える。
同じくサントリーの買収は、アサヒを超える
1.6兆円規模のもの。
キリンも3社で7〜8,000億円の買収を行った。
しかし、ここでは明暗を分けた。
各社が企業買収で増益を続ける中、
キリンが買収したブラジルのビール会社が
思ったほどの利益を出せないばかりか、
損失を計上するまでになった。
一言で言えば、失敗。
これで、2015年のキリンは上場来初の
赤字決算を迎えることになった。
ビール業界、次の一手は?
買収を続ける各社だが、買収対象が
ウンと言わなければ買収は成立しない。
それに、大きい企業ばかりを買収しており、
資金も底をつく。一部メーカーは、
お金を借りてまで買収を行っている。
買収する企業が減ってもいく。
どこでもいいから買収、というわけ
にもいかない。
そこで、最近では大手企業の
有名飲料の権利を買収したり、
大手飲料メーカーとの資本提携など、
とにかくめまぐるしく業界が動く。
売上順位などは、大型買収が
完了すれば、すぐにでも逆転する。
消費者としては、美味しいビールを
提供し続けてくれればそれでいいが、
投資家目線で見れば、ハラハラドキドキ
な業界なのである。
さぁ、今日も仕事を早く終えて、
ビールを飲もう!