アベマTVが収益化に向かうのか?大赤字からの脱却

先日のブログでもご紹介したが、
またもやニュースになっていたので、
再度取り上げてみます。

AbemaTV、順調らしいです。
でも赤字だそうです。

少し中身を見てみましょう。

まずは運営会社から

運営しているのは、サイバーエージェント(4751)
アメーバブログなどを手がける。

会社自体は、インターネット広告事業と
ゲーム事業が主力で、既存事業は好調に推移している。

AbemaTVはメディア事業という位置づけだが、
メディア事業自体は51億円の赤字で、そのうち
AmebaTV関連の赤字は58億円とのこと。

つまり、AbemaTVが無ければ、
メディア事業も黒字だったということ。

会社全体でも前年に比べて4割減の利益となっており、
単年度の決算だけを見れば、AbemaTVが
会社全体の足を引っ張る形になっている。

しかし、サイバーエージェント代表は、
この赤字額を「想定内」とし、
今後もAbemaTVにおける先行投資を
拡大させる方向としている。

1周年を迎えたAbemaTV。

サービス開始から1年が経過する。
累計で1,600万ダウンロードを達成し、
順調ともいえる利用者増加が進んでいる。

問題はここから。
有料会員となる「Abemaビデオ」などを
どこまで伸ばせるか。

今年度はまだ赤字を想定しているというが、
想定よりも早く収益化にこぎつけることが
出来れば、株価にも影響してくるといえそう。

収益化に向けての懸念は?

これも代表の話より。

まずは競合。どんなにいいサービスでも、
競合が出てきて顧客を奪われれば、
その分の収益見込みは厳しくなる。

しかし、この事業ではコンテンツ力として
テレビ局(テレビ朝日)と協業となっている。
映像制作の分野では、テレビ局のコンテンツ
制作力に敵う相手はいないとのこと。

そしてもうひとつ懸念として、
コンテンツ調達コストの増大。

同じことをしようとする会社が増えれば、
コンテンツを販売する側はより高く売ろうと
考えるので、価格も上がっていく。

しかし、同じことをしようとする
会社が少なく、現状では価格の高騰には
つながっていないとのこと。

しかし、今後も上がらないという
明確な答えではないので、
懸念材料といえるだろう。

AbemaTV事業は賛否両論

新事業には否定的な意見が当たり前にでてくる。
では、AbemaTVに対しての否定的な意見を
みてみよう。

TV局と同様の収益構造には無理がある
TV局、特にキー局と呼ばれる会社では、
大きな企業のCM収入がメイン。

ネット上でのテレビ局を目指しているAbemaTV
からすれば、どこかのテレビ局にCMを
出すという、「どこか」の選択肢の中に
入れればいい。

しかし、現状で地上波のテレビと
インターネットのテレビでは、
全く違うものというイメージの方が強い。

具体的に言えば「信頼性」。
地上波のテレビでは、広告その他の
倫理規制なるものが存在するが、
ネット上では法律が及んでいない。

イメージを重視する企業は、
なかなか出しづらい広告出稿先である。

既得権益への侵害

TV局は、放送法という法律に
ある意味守られており、むやみに
参入出来ないようになっている。

本事業においては、テレビ朝日との
共同事業となってはいるが、
テレビ朝日としても本業が明確に
淘汰されるとすれば、このままの
協力は出来ないと思うはず。

もちろん、他のTV局についても
同じことが言える。

例えば、AbemaTVに対して脅威と感じれば、
AbemaTVに出演している芸能人に対して
「AbemaTVに出演している芸能人は
地上波の番組には起用しません」などの
通達を出したとしよう。

現状ではまだまだ地上波が強く、
芸能人の収入はTV局への出演が
大きな収益源となっている。

AbemaTVに出演することで
地上波への出演が出来なくなる、という
事態になれば、出演側は地上波を選ぶ。

そうなれば、AbemaTVのコンテンツ獲得は
次第に難しくなり、やがては見たことの
無い人しか出演していない番組しかなくなる、
ということだってありえる。

様々な異論はあっても

逆風が吹いているとしても、
同社の発表内容を見る限りでは、
利用者は増加している傾向にある。

今のTV局とは「似て非なるもの」として
着実のそのアイデンティティーを確立している。

収益化路線も、広告収益メインではなく
サービス課金路線となるので、
顧客がかぶることはない。

ネット環境さえあれば
どこでも閲覧出来るという
インターネットの最大の強みを活かして、
オンリーワンを目指している。

投資家目線としては、既存業務が順調なだけに、
この新事業の成功如何で株価が大きく
変動することを覚えておきたい。

 

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