目次
おさらい:石油製品の誕生ヒストリー
1年生カリキュラムでは、石油製品の誕生ストーリーを学習しました。
- 原油を見つけるために地面を掘る。
- 見つけた原油を日本に運ぶ。
- 原油をきれいに洗って加熱する。
- 5種類の石油製品を工場に送る。
- わたしたちの身の回りにある製品に加工する。
2年生カリキュラムでは、投資に必要な知識の一つとして
石油製品の誕生ストーリーの各工程で活躍する
たくさんの会社たちについて学習します。
ニュースや新聞に出てきても、
あ!この会社知ってる!ってなると、
なんとなく嬉しいものです。(笑
では、今回のクラスをはじめましょう。
世界中で活躍する日本の会社
地面を掘る工程で活躍する会社とは
石油は、サウジアラビアなどの油田で採掘されるのでしたね。
地下3,000メートルとかまで掘り下げなければならないので、
油田を地下深くまで掘る技術と機械が必要になります。
ここで、この技術や機械を持っているのが日本の企業です。
これらの会社の業種は、石油プラント建設という業種です。
※プラントとは生産設備のことをさします。
地下3,000メートル以上を掘り下げるためには
専用の機械を使って地下を掘り、地下3,000メートルあたりになると
今度は横に掘り進めていきます。
固い岩盤にぶつかれば、特殊な方法で岩を砕き、
そこから泥まみれの原油を地上へ運んでいきます。
こんな作業はとても特殊ですよね。
こういう特殊設備を建設している会社が
日本企業なのですっ!!
さすがニッポン、スゴイデスネー。
石油プラント建設の代表的な会社
銘柄コードは上場している会社に付けられます。
証券取引所で取引されるための会社番号のようなものです。
どの会社も、わたし聞いたこと…、
ありませーん。
原油を日本に輸出するために活躍する会社とは
専用設備で掘り出された原油は、
タンカーに乗って海外へ輸出されます。
原油を運ぶタンカーを持っているのは、
海運企業といわれる会社です。
海運企業の代表的な会社
上場している会社たちなので、
すべて銘柄コードが付いていますね。
残念ながらわたしはどの会社も聞いたこと…、
ありませーん。
原油を精製するために活躍する会社とは
運ばれてきた原油(げんゆ)を
きれいに洗って加熱すると石油になります。
きれいに洗って加熱することを
精製する、といいます。
原油は、製油所(せいゆじょ)に運ばれ、
精製すると、5種類の石油製品ができあがります。
- 重油
船の燃料や火力発電所の燃料、アスファルトなどの材料にも使われます。 - 軽油
トラックやバスなど大型車やディーゼル車の燃料に使われます。 - 灯油
主に暖房器具で使用されます。ジェット機の燃料にも使われます。 - ガソリン
自家用車の燃料ですね。タイヤやプラスチックの原材料もガソリンです。 - LPガス
ガス器具の燃料として使われます。
製油所がある代表的な会社
上場している会社たちなので、
もちろん銘柄コードが付いていますね。
コスモ、出光…。やっとです。
やっと聞いたことある会社名が出てきました。
これで少しやる気が出ました。(笑
石油製品を工場に送るために活躍する会社とは
精製された5種類の石油製品は、
日本国内のガソリンスタンドや工場などに
鉄道やタンクローリーなどで運ばれます。
石油製品を運ぶ代表的な会社
うぅ…。また…ですか。
また聞いたことのない会社が…(苦笑
石油製品を販売するために活躍する会社とは
精製された石油製品は、さらにプラスチック製品や
化粧品に加工されるために工場に送られていきます。
精製されているガソリンは、
それ以上加工することがないので、
ガソリンスタンドに運ばれていきます。
ガソリンスタンドで有名な会社?
ガソリンスタンドで有名なのは、
昭和シェル、コスモ石油、出光興産(いでみつこうさん)などが
ありますよね。
でも、これらの会社はガソリンの元売り(もとうり)であって
ガソリンスタンドを経営しているわけではありません。
ガソリンスタンドの経営は、
昭和シェルの子会社やコスモ石油の子会社ではなく、
わたしたちの町にある地元の会社が経営しているんですね。
セブンイレブンなどのコンビニのように、
お店に出している看板はセブンイレブンだけど、
経営しているのはそのお店の人、というのと同じです。
なので、昭和シェルという看板のガソリンスタンドでは、
昭和シェルから仕入れたガソリンを販売しているだけ、
ということなのです。
また、ガソリンスタンドへお客さんを集める、
というのは昭和シェルには関係ないので、
オーナーさんたちは頑張ってお客さんを
集めなければいけないのですっ。
編集長より
忘れてはいけない胴元(どうもと)
胴元(どうもと)という、なんとも悪そうな言葉を使いましたが、
サウジアラビアから石油を買っている会社があります。
その会社は、元売りのどこの企業が儲かるかとは
関係なく、とにかく日本国内での石油消費が
あればあるほど利益が出ます。まさに胴元です。
仕入先はサウジアラビアなどの国の政府で、
販売先は元売り各社です。
企業名で言えば、
「三菱商事(8058)」
「三井物産(8031)」
「伊藤忠商事(8001)」などの
商社と呼ばれる会社です。
このように、石油が掘られるところから
一般消費者の手に届くまで、
様々な企業が関与しています。
さて、今度はそんな企業の業績と
密接に関連する「石油価格との関係」です。
石油の価格変動によって、どんな会社に
どんな影響があるかをみていきます。
まとめ
今回は、原油が掘られてから石油製品になるまでに
活躍する日本の会社を学習しました。
もう、ホント知らない会社ばっかりでした。
でも、多くの日本の会社が世界中で活躍しているのかと思うと、
やっぱり、ニッポン、スゴイデスネー!
- 原油の採掘に頑張るプラント建設会社。
- 石油を輸出するタンカーなどの海運会社。
- 石油を精製する製油所経営の石油元売り。
- 石油の国内輸送、タンクローリーなどの陸運会社。
- ガソリンスタンドは地元のオーナーが経営。
- 胴元が石油をガッチリ抑えている。