ビットコインなどの仮想通貨を一言で言うと、米ドルやユーロと同じ「外貨」です。外貨ですから、日本の円以外の通貨のことをさします。
米ドルやユーロへの投資も、ビットコインなどの仮想通貨への投資も同じです。
これを基本の考え方として、仮想通貨について学習していきましょう。
目次
仮想通貨とは?仮想通貨の定義
わたしたちの住む日本では、円という単位の通貨を使用していますよね?アメリカならアメリカドル、中国なら人民元、ヨーロッパならユーロ。世界の各国で発行されているこれらの通貨を法定通貨といいます。
これに対して、インターネット上にしか存在しない通貨のことを仮想通貨といいます。
何が違う?法定通貨と仮想通貨の違い
投資対象としては、仮想通貨も法定通貨も同じだとお話ししましたが、通貨としては異なる点が3つあります。
1.貨幣や紙幣が実際に存在するか?しないか?
2.発行体があるか?ないか?
3.発行する通貨の上限があるか?ないか?
では、法定通貨と仮想通貨の違いについて説明していきますね。
貨幣や紙幣が実際に存在するか?しないか?
わたしたち日本人のお財布の中には、1万円札や1,000円札の紙幣や500円玉や100円玉などの硬貨が入っていますよね。これが法定通貨です。法定通貨は、実際に紙幣や硬貨が存在していますが、仮想通貨には紙幣や硬貨がありません。
発行体があるか?ないか?
発行体というのは、通貨を管理・監督する団体のことをいいます。誰かが仮想通貨を作っている以上は、発行体があるんじゃないの?そういう疑問はありますよね。
日本で法定通貨を管理・監督している発行体は日本銀行です。ですが、仮想通貨を管理・監督している発行体はありません。
発行する通貨の上限があるか?ないか?
わたしたちが使用する紙幣を製造しているのは日本なら造幣局です。造幣局で作られるお金の量に上限はありません。日本銀行の権限でいくらでも増刷することができます。
ですが、仮想通貨はそもそもの発行量が決められていて、例えばビットコインであれば2,100万Bitcoinが上限になっています。
発行体がないなら仮想通貨は誰が発行してるの?
法定通貨は、発行体のある国が発行していることはお分かりですよね?でも、仮想通貨には発行体がありません。
では、どこの誰が発行しているの?という疑問がでてくるのは当たり前です。
さて、結論から言えば「世界中のみんな」です。特定の個人や企業ではありません。ビットコインなどの仮想通貨を発行するための専用プログラムを使って「世界中のみんな」が発行しています。
この仮想通貨の発行作業のことをマイニング(採掘)といいます。
一つの発行体が全権限を持つわけではなく、「世界中のみんな」がマイニングするので、発行体の思惑や影響を受けることなく流通・利用が可能になる、というわけです。
仮想通貨のマイニング(採掘)とは?
10分おきに生成される新たなブロックごとに今までの取引の精査が行われます。会社で言えば、経理の人が月末にその月の取引に応じた入出金が合っているか確認する、という感じです。
仮想通貨の場合、今までの取引の数は膨大な取引数になります。なので、機械で自動的にチェックするわけですが、ここで差が出るのはコンピューターの処理スペック。わたしたちが普段使っているようなパソコンでは到底かないません。データセンターにあるような巨大なマシンが1秒に6~7個のチェックを行い、 1番早くチェックできた人に報酬としてビットコインが送られます。
ビットコインの取引量が増えれば増えるほど、ひとつのブロック内でチェックしないといけない取引数も増加していきます。つまり、1番早くチェックし終わるためには、コンピューターの処理スペックをどんどん上げないといけなくなるんですね。
よく例えられるのは、金(きん)の採掘。
金(きん)の埋蔵量には限りがあるので、採掘量は年々減ってきています。新しく金を採掘するには、金鉱脈を掘り当てる必要がありますが、目ぼしい金鉱山は既に掘られており、金の採掘の難易度は上がっています。
とは言っても、採掘量がゼロではないので新しく採掘された金(きん)はこれまでと同じように価格変動を繰り返しながら取引されています。
埋蔵量に限りがあるというのは、仮想通貨の発行上限があるということと似ていますよね。
仮想通貨の種類はどのくらい?どの仮想通貨を選ぶべき?
投資対象として法定通貨を検討する場合、その国が大丈夫なのか?つまり、発行体の信用性が重要になってきますよね。ですが、仮想通貨の場合は発行体がないので、発行体の信用性を測ったり確認することができません。
現状、法定通貨の種類はだいたい170種類くらいです。これに対して、仮想通貨の種類はなんと1000種類を超えています。そんなにたくさんの仮想通貨の中から、どうやって投資対象の仮想通貨を選べばいいのでしょうか?
選択基準はまず、みんなが使う、つまり流通する可能性が高い仮想通貨を選ぶことが基本です。そして、価格が上がりそうな通貨よりも下がらなさそうな通貨を選ぶのがベターです。
その種類の仮想通貨を欲しがる人が一定人数いれば、通貨としての価値は残るので、物を買うために仮想通貨を使うこともできます。ですが、その種類の仮想通貨を欲しがる人がいなければ、通貨としての価値はなくなってしまいます。
なので、(将来も含めて)その仮想通貨が使えるかどうか、という観点で仮想通貨を選ぶことが重要になってきます。
仮想通貨を投資対象としてもいいし、あなたの資産として保有しておくのもいいでしょう。ですが、忘れてはいけないことは、将来も含めてその価値が激減しないような仮想通貨を選択するということです。
では、次回はそれぞれの仮想通貨の特徴や将来性について学習していきましょう。
ちょっと補足:新しい資金調達手段ICO
仮想通貨を活用した企業の資金調達手段として新しく登場しているのがICO(Inicial Coin Offerring)です。今後、ICOがどれだけ利用されるようになっていくかも、投資判断の1つとして役立つかもしれませんね。