スパコン。
スーパーコンピューターの略。
一時期、事業仕分けで
表舞台に晒されたスパコンの世界。
当時から話題になっていた「京」を
上回る性能を公開した新星がいる。
しかし、スパコンの世界は
そんな単純なものではなかった。
「暁光」の何が国内一?
ズバリ、「計算速度」だ。
1秒間で1.413京回(京は兆の1万倍)
の計算速度で国内1位。
まぁ、はっきり言って
どれほどすごいのかが
さっぱりわからない。
しかし、ニュースになるくらいなので
すごいことは確かなのだろう。
ここで、当時のアノ人の
言葉が思い出される。
「2位じゃダメなんですか?」
これを言われたから、というわけではないが、
実は当時の1位だった「京」は、
その後の能力強化を行っていない。
計算速度を1秒間に1京回を
目標に開発をしていたので、
達成後はその基本能力の向上を
考えていない。測定すらしていない。
しかし、そんな状況でも「京」が
世界一を誇る分野がある。
「Graph500」というもので、
簡単にいえばグラフの計算だ。
これには、計算能力だけでは
1位にはなれない。
複雑な計算式をこなすプログラムが
必要で、単に能力だけではない。
例えていうなら、すごく足の早い
選手がいて、「走る」だけなら
世界一。
しかし、早く走れてボールが蹴れる、
という選手になるには、能力と
技術の両方が必要になるわけだ。
「暁光」は100mの日本記録保持者。
そして、昔の王者である「京」は、
転身してサッカー選手になっている、
という感じだろうか。
実用化されているスパコン
実用化、といっても、一般に出回って
いるわけではない。
様々な企業に利用されている。
それは、ビッグデータ関連企業
だったり、AI関連企業だったり。
国内で約160の企業が
スパコン「京」の性能を
役立たせているという。
さて、そんな話があったので
気になったのが、スパコンの
利用料金。
実際に「京」を運営する
理化学研究所の計算科学研究機構
ホームページに、利用料金
が公開されている。
1時間使用する料金が、
なんと14.53円。
え?世界一なのに?と
この目を疑った。
成果を公開する前提なら、
無料だという。
なるほど、儲けのために
開発されているわけじゃない
から、そうなるのか。
ちなみに、開発総額は
運用元のHPからの情報公開に
よれば、1,111億円。
「1」が好きなのか。
そんなくだらないことを
考えてしまった。
1,111億円かけて開発された
世界一のスパコンを、
1時間体験で15円。
さぁ、皆さんもスパコン
体験ツアーに申し込もう。