任天堂の「売り出し」が決定。そもそも、売り出しって何?

任天堂が売り出しを発表。
800億円超のお金が動く。

さて、この売り出しとは一体何か。
どういった効果があるのか。
そして、なぜ売り出しをするのか。

売り出しって何?

簡単に言えば、自社が保有する
株を、市場に放出すること。

保有株式が現金化するので、
目先の現金が必要な場合の
現金化の手法のひとつ。

だが、この売り出しをすることで
自社の持ち株比率が下がる。

つまり、身売りという感じ。
あまりイメージの良いことではない。

ちなみに、日本郵政なども
基本は売り出しとなる。

政府が保有する株を一般に
放出する形となる。

その分、自社の株保有比率が
下がるので、オーナー会社から
みんなの会社になっていく。

知識として知っておきたいのは、
似たようなもので「公募」という
ものがある。

公募と売り出しは似たように
捉えられることが多いが、
中身は違うのでご用心を。

売り出しは、既に発行済の株式で
「誰か」が持っている大量の
株を一般に放出し現金化するもの。

それに対して、公募は新しく
株を発行し、それを一般に
引き受けてもらう、つまり買って
もらうことを指す。

どちらも証券会社経由で購入する
ことになるが、売り出しは発行済の
株の保有者が変わるだけ。

公募の場合は新しく株を発行するので、
もともとの1株あたりの価値は希薄化する。

株価への影響は?

株価への影響で言えば、売り出しの
場合は1株あたりの価値は変わらないので
基本は変動しない。

ところが公募(増資)の場合には
新株を発行することで既存の株の
価値は希薄化することになる。

なので、株価は下落するという
特徴を備えている。

今回の任天堂は、「売り出し」。
株価には影響が無いような
やり方だと言える。

今回の売り出しはなぜ?

そもそも、売り出しなどは
企業にとってプラス要因ではない。

今回の売り出しの発表によれば、
ある一部の株主から売却したい
という意向が告げられたという。

理由は二つ。
将来性が魅力的ではなくなった、
もしくは保有株を現金化したかったか。

この理由がちゃんと理解できれば、
今後の株価も予想できるように
なるだろう。

公式な発表によれば、株主から
売却意向があったからだという。

その筆頭株主は、任天堂の本社
所在地である京都の地銀である
京都銀行などなど。

銀行業が厳しく締め付けられて
いる状況なので、銀行は少しでも
手元資金を用意したかったのか。

そう考えれば、任天堂自身は
これといって何も信用がない。

どちらかと言えば、京都銀行さん
大丈夫か?という内容になる。

保有株を現金化してまで、
お金に困っているんじゃないかと
疑ってしまう。

売り出しや公募、買ったほうがいい?

公募も売り出しも、市場で
売買される株価がどう動くか
を理解しないといけない。

証券会社を通じて購入する
ことになるが、これがまた・・・

引き受ける証券会社は、
売り出しの株数をなんとか
一般に買ってもらいたい。

とは言うものの、現在の任天堂の
株価は30,000円前後。
100株単位なので、300万円。

一般個人でも300万円を余裕資金
として見ているならどうぞ。

だが、たいていの一般人には
少しむずかしい額。

ちょっとした富裕層を
捕まえて、販売するのが
証券会社の手法だと言えよう。

細かい説明は省くが、
ある一定期間中の終値を
参考にして価格が決定される。

実際の購入はそこから数日後に
申し込み〜買い付けの流れとなる。

ちなみに、今回も3月4日の終値を
ベースとし、そこから4%下げた
金額で決定した。

手数料は取られないのが特徴で、
じゃあ、得なんだ?と一瞬思う。

しかし、価格決定後も株価は変動し、
受渡日の時点で株価がさらに下がって
いれば、買い付けて売却可能に
なった瞬間に損失が発生する。

安く買えて、手数料もゼロ。
なのに、マイナススタートの
可能性がよくある。

今回も、価格決定が4日で、
受け渡し、つまり売却可能に
なるのは12日。

その間も株価は変動するので、
ぐんぐん株価が上昇すれば
儲けが出る。

逆にぐんぐん下がれば、
売却可能となった時点で
損失が出ることになる。

なーんだ、じゃあ普通に
買うのと変わらないじゃん、
と思う方もいるだろう。

実際は、そのとおり。
普通に買うのとそこまで
変わらない。

最近ではネットで購入すれば
手数料は安くつく。

証券会社の営業マンは、
この公募や売り出しを
強く勧めてくる。

個人的な見解になるが、
公募や売り出しで営業マンの
言われるがままに購入するのは
得策ではない。

ちゃんと内容を吟味し、
今後は上昇するだろうと
期待出来るのなら買えばよし。

そうじゃなければ、公募や
売り出しに応募するメリットが
あまりない。

現役の証券マンには申し訳ないが、
あまりオススメしない投資手法と
言える。

まぁ、購入の判断は
自己責任で。

 

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