我らが年金の運用益が、3ヶ月でプラス5兆円。これってどうなの?

GPIFこと・・・正式名称を
一応書いておきますね。

年金積立金管理運用独立行政法人。

まぁ、名前はどうでもいいとして、
皆さんが払い込んでいる国民年金の
運用を行っているところ。

ここの運用成績がニュースに
出て、5兆円というすごい数字が。

さて、これってホントにすごいの?
今日はそこらへんを細かく。

運用状況は?

GPIFのHPからの抜粋情報だが、
昨年度末で144兆円の運用資産。

それが、4-6月期の3ヶ月で
運用成績が5兆円プラス。

現在の資産合計は149兆円に
なっている。

「兆」がつくだけで想像が
しにくくなるので、

普通にありそうな金額に
変換して考えてみよう。

144,000円の株を購入。
3ヶ月で149,000円まで
値上がりした。

こう見れば、まぁ普通の話。
決して悪くはない。
決して良くもない。

3ヶ月で3.54%の上昇。
我々でも目指せる数字の
範囲だろう。

今までの運用成績は?

直近3ヶ月ではなく、
運用を開始した平成13年からの
運用成績を見てみよう。

約16年間の運用で、
平均は年率3%程度の運用成績。

マイナスになった年もあるが、
まずまずといったところ。

16年で、10勝6敗。
これで年率3%。

少し物足りないと言う人も
いるだろうが、結果オーライ。

下手な投資信託よりも
順調な成績といっていいだろう。

なんせ、元手が大きい。
平均3%の運用で、16年間で
増えた資産は50兆円を超える。

何に投資をして増やしている?

大まかな資産の分散は
HPに記載されている。

いわゆるアセットアロケーション
(資産配分)の割合は以下の通り。

国内債券・・・35%
国内株式・・・25%
外国債券・・・15%
外国株式・・・25%

細かい中身は、公募した
運用会社に一任、という具合だ。

長期分散投資の観点でも、
理想的な配分だろうと思う。

ここで気にしていただきたいのは、
「預貯金」がないこと。

それが何を意味するのか。

先日の相談があった内容

実際の会員さんからの質問。
というか相談。

「401kの中身を、どんな分散に
した方がいいのか。」というもの。

似たようなもので、
「idecoの分散はどのように
した方がいいのか。」というもの。

まぁ、同じようなものだが。
ここで、「こんな配分に
しましょう!」という気もない。

当然ながら人により
リスク許容度が違う。

しかし、「私なら」という前提で
話をするのは、預貯金にするなら
国内債券にしておいたら?という話。

運用しましょう、運用先を
決めましょうというときに、
預貯金の選択肢がある時点で、
いかがなものかと思ってしまう。

もちろん、時代によっては
預貯金は有効な投資先。

昔は、預けておくだけで7%を
超える金利がつく時代もあった。

またそんな時代を迎えた時には、
資産配分を変えることができる
ようになっているのはいいこと。

しかし、今の低金利で預貯金に
しておくことで、運用とは言えない。

むしろ、物価上昇で目減りする
ことの方が可能性は高い。

現に、国民の大事な年金を
運用しているGPIFでさえ、
預貯金の選択肢はない。

知っているか知らないかだけの話

401kのご相談を受けた人の
話を聞いていると、職場の
仲間のほとんどは、預貯金が
大半を占めているという。

運用会社による説明会は
ちゃんとあったらしいが、
言っている内容を理解する
までではなかったらしい。

業界経験者から言わせてもらえば、
運用会社の説明者が悪いわけではない。

金融に従事する人間は、
厳しい法律の中で話す内容に
大きな制限がかかる。

極端な話だが、100%真実なら
自信を持って話ができるが、
99%、つまり確実ではない
ことは、言ってはいけない。

金融知識があれば、その辺も
分かって話を聞き、自分なりに
理解するだろう。

しかし、今まで金融の勉強を
してこなかった人間であれば、
すべてを額面通りに鵜呑みにする。

少しでも「リスク」のあるものを
嫌い、預貯金に回す。

そういう話を聞くと、
このサイトがもつ役割りも
少なからずあるのだと思う。

この活動というか、事業というか。
決して需要がないわけではない。

そう自分に言い聞かせて、
今日もブログ更新に勤しむ
私である。

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同情するなら
金をくれ。

 

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我らが年金の運用益が、3ヶ月でプラス5兆円。これってどうなの?” への2件のフィードバック

  1. これから資産を運用しようとする若い世代に『同情するなら金をくれ』は刺さるフレーズだろうか(笑)

    1. HARAさん
      コメントありがとうございます!

      確かにある程度の年代でないと分からないフレーズだと思いますが、
      このフレーズが分かってしまう世代が、「今から投資をしようと
      思っている」世代なんだと思いますよ。

      本当はもっと若い世代にも興味をもってもらいたいところですが。

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