【業界ビジネスモデル】三井物産が陸上養殖事業に参入。大きい商社が今さら養殖事業の理由を解析。実は根が深い食事情。

商社大手の三井物産(8031)が、陸上養殖システムを
手がけるFRDジャパンに対して、
第三者割当増資を引き受けて、
9億円で80%の株主となる。

さて、三井物産(8031)といえば日本を
代表する商社。

売上高ランキングでは19位、
4兆を超える売上高を誇る。

商社といえば、いわゆる「何でも屋さん」。
ゼロから投資をし、インフラ構築などで
胴元になるような感じ。

つまり、時代を創る最先端の会社。
それが、今回は養殖事業。そのワケとは?

単なる養殖ではなく、「陸上養殖」

本案件は、今まで行われていた養殖とは
少し違う様子。

今までは海水魚の養殖は海水が必要で、
海の側で行われるのが通常。

陸上で施設を作って養殖しようとすれば、
海水と同様の水質を保持する必要があり、
実際の海水などを持ってくるなどの費用が
かかったり、維持したりと費用が膨れ上がっていた。

本案件では、人工海水を循環させつつも
そのまま水質を維持できる装置として、
大幅な費用削減が可能になるという。

これで、今までは海の側でないと出来なかった
海水魚の養殖が、陸地でも容易に行えるという。

背景にあるのは、食料問題

大手の三井物産が本案件に乗り出した理由は、
国内の食料自給率の低下問題がある。

簡単に言えば、日本国内で作った食料が、
食べられている量のすべてをまかなえていない。

輸入を一切しなくなり、鎖国のように
なった場合に、日本国民の
食料は足りなくなるという現実がある。

本案件で養殖予定のサーモントラウトも、
今はほとんどが輸入に頼っている。

これが国内、しかも消費地近郊に養殖施設を
建造出来れば、新鮮なままで、輸送コストを
大幅にカットしたサーモンが消費者に
届けれることになる。

自給率の問題も少しは改善に向かう。
そして、世界中で貧困に苦しむ地域にとっても
自国で食料調達が出来るという意味合いは大きい。

三井物産は何を狙う?

今回の投資額は9億円。決して大型案件ではない。
2018年にテスト施設を稼働させ、2020年には
拡大路線に入る予定と発表している。

テストとなる施設の稼働が、何も問題なく、
そして利益が出るようになれば、
三井物産としてはこの養殖施設建設技術を
日本国内だけではなく、海外まで販売し、
利益を得るビジネスモデルを描いている。

どの程度の成長性が見込めるか、
そしてそもそもうまくいくのか。

ここ2年の勝負、といったところだろうが、
うまくいけば我々の食卓にサーモンが
並ぶ頻度が増えることになる。

サーモン、好きです。
がんばれ、三井物産。

 

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