日立が主導で、全6社連合が
個人データ提供を行う
「情報銀行」の実証実験がスタート。
初めて聞く「情報銀行」とは
一体何をするのか。
そして、ビジネスになるのか、
それとも非難されるだけに終わるのか。
情報化社会が進む
今の時代、情報がお金になる。
なんとなくだが、理解出来ると思う。
分かりやすい例で言えば、個人情報を
売ることで利益を得ることが出来る。
売られた方はたまったものでは
ないが、そんなものはお構いなし。
どこで漏れたか、勧誘の電話が
携帯に直接かかってくる時代。
そして、勧誘やらのメールが
ひっきりなしに送られてくる。
自宅にはどこからともなく
ダイレクトメールが届く。
そんな時代で、迷惑極まりないが
その後ろでは個人情報で金銭の
授受が行われている。
個人情報に限った話ではない。
最近では、人の消費行動まで
情報管理されている。
コンビニでアルコールを買う。
年齢認証のボタンを押す。
その情報が蓄積される。
どの地域で、何時何分に、男性か女性か、
アルコールと一緒に何を買った・・・
たったひとつの情報であれば
何も価値を持たない。
ところが、それが多く集まれば
「統計」という情報となり、
企業のマーケティングなどに
活用されることとなる。
こういった情報を欲しがる企業は
多く存在する。
需要が多ければ、取り合いになり、
価格がつく。
直接売買の時代から・・・
今まではモグリも含めて
相対取引しかなかった。
個人情報を含む様々な情報に
価値があるという認識はあるものの、
おおっぴらに売買はされなかった。
それは、第一にモラルの問題。
情報を売買するなんて・・・
という、昔ながらの考え方。
昔の考え方とはいえ、それを
堂々と展開することに対して
批判が出ることは必至だった。
しかし、金になるということが
薄々感づいている様々な企業が、
どうやって商売にするかを
考えてきた。
情報の取得はどの企業もしていたが、
お金にする、いわゆるマネタイズは
どの企業も困っていた。
今回の「情報銀行」とは、そんな
様々な情報を買い集め、その情報を
提供する「情報屋さん」となる。
銀行じゃないじゃん!
情報を仕入れて情報を販売する。
それって小売業で、銀行業じゃ
ないんじゃないの?
そう思った方は多いだろう。
実際に、やる内容は小売りそのもの。
しかし、よく考えてみれば、そもそもの
銀行も、お金を仕入れて(預金者から集めて)
お金を販売(融資してその金利を得る)する。
お金の小売業といえばそのとおり。
扱っているものが、お金なだけ。
取扱がお金になれば、「銀行業」と
なるのだ。
つまり、どんな商売でもやって
いることは同じ。
そして今回も、扱う商材が情報な
だけで、それを小売するだけ。
では、なぜ「銀行」という
文字が付けられたのか。
先程述べたように、情報売買には
少なからず批判が集まる。
それを少しでも緩和するために、
日本国内では圧倒的に信用の
ある単語、「銀行」をつけたのだ。
そして、今後この情報銀行が
当たり前のように進むようであれば、
情報売買がまかり通るようになる。
時代の流れといえばそれまでだが、
気持ちが追いつかないのは皆同じだろう。