100兆ドル紙幣が発行された国、ジンバブエの話

「ジンバブエでクーデター」
そんなニュースが流れてきた。

物騒な話だが、国の軍が
国営放送局を占拠し、大統領を
軟禁しているという。

ジンバブエ、どこかで聞いたことが
ある。そう、スーパーインフレという
言葉で有名な国だ。

その意味を解説しておこう。

ジンバブエの今はなき自国通貨

今では廃止されてしまっているが、
ジンバブエという国にも自国内で
使える自国の通貨が存在していた。

その名も「ジンバブエドル」。
まぁ、よくあるような国の名前と
「ドル」が組み合わさった名称。

ところが、ある理由により
貨幣の価値が下がり続け、
最後には廃止された。

廃止直前は、為替レートで
1ドル=3京5,000兆ジンバブエドル。
もう意味がわからない。

さて、なぜそうなったのか。

国の政策が幼稚だった

今回のニュースで軟禁された、
大統領のムガベ。

30年以上もの間、国の舵取りを
していた。その舵取りに問題があった。

独裁政権と揶揄されるほどで、
大統領とその側近は、豪盛な
生活を送っていた。

反対派の勢力には弾圧をかけ、
文句を言わせないような
独裁政治を続けていた。

そんな大統領も、国の経済政策を
担っていた。

国内の消費を増やすため、
大量の紙幣を発行する決定をした。

大量の紙幣が流通し、
誰もが簡単に自国の貨幣を
手にすることが出来るようになり、
紙幣価値が下がる。

それをみて、大統領は更に
ジンバブエドルを発行。
そして貨幣価値は更に下がる。

その繰り返しで、トマト1個が
1兆ジンバブエドル以上するという
異常な事態となる。

100兆ジンバブエドル札まで
発行されており、この時点で
自国通貨の信用はゼロに限りなく
近かった。

実際の国内経済では、ジンバブエドルと
並行して米ドルでの支払いが
主流となっていった。

ちょっとおかしな国の政策

経済政策としておかしかったのは、
紙幣の発行だけではない。

「白人所有の土地は、黒人に無償で移譲」
という法律を作った。

結果、やってられないと
感じた白人は、国外へ。

そして今度は、企業。
「外資系企業は、株の半分を
黒人に渡せ。逆らうとタイホ!」

この独裁的な法律が成立し、
外資系企業は国外へ。

結果、国外からの資本や人員は
ストップし、同時に物資の流通もストップ。

流通がストップしたために
今現在で国内に存在する物の需要が高騰し、
物価が急激に上昇した。

紙幣の価値は下がり、
物の価格は上昇。
ハイパーなインフレーションが
生まれることとなった。

そしてジンバブエドルは廃止され、
自国通貨の存在が無くなることに
なるが、インフレは続く。

大統領、反省する?

さすがにやっちまったと
反省したのか、大統領は
反対派の野党の人間を
首相に任命する。

これが2009年のこと。
国内では変革を期待する声が
大きく上がったが、時すでに遅し。

インフレは加速し、自国通貨の
廃止は2015年に行われた。

首相を反対派が就任しても
国内の変革は起こらず、
国民の不満は募るばかり。

そしてとうとう、クーデター
に発展した、という流れだ。

まぁ、致し方ない流れだろう。
今回のクーデターにより
大統領は失脚。

代わりの大統領が就任し、
国内政治の変革が行われていくのか。

世界遺産として登録されている
遺跡などもあり、いつか気軽に
旅行できる日がくれば、行ってみたい
ものである。

 

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