ジャパンディスプレイの
第3四半期の決算が発表された。
まだ今期は終わっていないが、
どうやら5年連続の赤字決算を
迎えることが濃厚となってきた。
再度、会社のおさらい
会社名の通り、液晶ディスプレイを
製造しているメーカー。
世界シェアをもっているが、
大型ではない。中型でもない。
小型、つまりiPhoneの
液晶ディスプレイの大手。
数年前までは、東芝や日立などが
それぞれ別々に製造し、シェア争い
を行っていた。
日本政府としては、国内企業が
争うよりも、世界に向けて手を
繋いでシェア拡大を狙う目的で
統合を推し進めた。
ソニー・東芝・日立の液晶部門を
統合し、それに国の資金も投入して
日本を代表する液晶製造会社が誕生した。
華々しいデビュー。
まさに、日本を代表する企業。
売上は1兆円をやや下回る。
2016年で9,891億円。
2017年で8,844億円。
アップルからの受注を見込んでいた
案件が無くなり、売上は下がった。
資本金は986億円だが、
2014年に国から2,000億円の
お金が注入された。
2016年以降も追加で750億円が
国から注入されている。
その資金もなくなりかけており、
つい最近では融資として1,100億円を
国の機構が保証する形式で借入が決定。
現在では、国の機構である
産業革新機構が、35%程度を保有する
筆頭株主となっている。
ちなみに、産業革新機構は
一応は株式会社の形態をとっており、
事業内容は「投資事業」。
株主には95%以上で
「財務大臣」が名前を連ねている。
とまぁ、ジャパンディスプレイの
紹介をしたのだが、上記の文章は
一昨年の夏のブログに掲載したもの。
詳細は、再度みていただけると
ありがたい。
一昨年のブログはこちら
今年は黒字化の予定だった
経営再建を進めるJDI。
今年は上場来の黒字化を
予定していた。
ところが、先日の決算発表で
今期赤字転落が発表された。
ちなみに、今期も赤字決算に
なることはサプライズではなかった。
iPhoneの販売が低調に推移している
という事実は、経済の世界では
かなり有名な話。
アップルからの売上が半分以上を
占めているJDIの業績へ影響する
ことは目に見えていた。
株の専門用語で言えば、この
マイナスな決算は「織り込み済み」。
既に株価は2桁代の価格となっおり、
あーはいはい、という感じ。
問題は今後だ。JDIも先行きが
不安なことは重々承知。
アップルの売上比率が高いことで
今回の赤字を引き起こしているので、
アップルに頼らない構造改革を進めている。
ただ、それが未だ実ってはいない。
構造改革中、と言ったところだ。
それに、大規模なリストラも
行った。
これにより、スリムな経営が
名実ともに本格化していることは
間違いない。
新商品の開発もあり、新規販売先の
開拓も既に行っている。
あとは、業績が回復するまでの
間の資金繰りの問題だけ。
だが、この問題が一番大きい。
資金繰りの経緯
もともと国のお金で設立されている。
そして、上場後も赤字が続いたことから
資本金なども食いつぶした。
2度目の公的資金の注入があり、
それでも足りなくなった。
今度も公的資金かと思われたが、
さすがに儲かっていない会社に
ドバドバ税金を投入するわけにも
いかない。
そこで、国が保証人となることで
今度は金融機関から融資を受ける。
しかし、現在ではその融資された
お金も底が見えてきたという。
単純な話だが、赤字になれば
その分現金は減る。
ある記事によれば、赤字幅は
縮小しているものの、現預金の
残りは500億円程度。
前々期は過去最大の2400億円の赤字。
単純に2400億円の現金が無くなった
ということだ。
再度、このような赤字になれば
現金が足りなくなり、いわゆる
「倒産」となる。
そんな危機的状況の中で、運転資金の
調達は喫緊の課題。
国の税金はもう入れれない。
国バックアップの金融機関からの
融資も、さすがに5期連続赤字では厳しい。
そして現在、韓国企業連合からの
出資をうけることなどで交渉して
いるというニュースがある。
国が多額の税金を使って作った
会社にもかかわらず、その一部を
韓国に売り渡す事態だ。
しかし、そうでもしないと
会社存続が困難な状況。
なりふり構わず、といった感じ。
この交渉が破談になれば、いよいよ
倒産が見えてくるが、まぁおそらく
それはないだろう。
なんせ国が税金を投入して
作った会社。
どんな手を使ってでも存続
させるだろう。
交渉が締結に至れば、経営再建の
道筋が見えてくる。
現在、株価は70円台。
100株単位なので、投資額は
わずかに7000円台から。
おもしろい銘柄だと思うが、
まぁ投資判断は自己責任で。
