また出た、粉飾決算。その時株価は?

定期的に発覚する粉飾決算。
今回は、東証1部に上場する、
すてきナイスグループ。

どんな内容の粉飾決算なのか。
そして、その時株価はどう動いたのか。

粉飾決算の内容

まだ粉飾決算が確定したわけではないが、
地検が家宅捜索に入った時点で、ほぼクロだろう。

では、どんな粉飾決算の手法だったのか。

あくまで捜査段階だということを
念頭においておいて欲しいが、
よくある手法だった。

実際には赤字なのに、株主の手前、
黒字に見せかける決算のやり方、
その名も「飛ばし」。

グループ各社でお金や契約を回して、
単月を無理矢理黒字にするやり方だ。

過去も多くの企業がその手法で
家宅捜索を受けて、逮捕者まで出ている。

少し細かく説明すると、グループの
決算は連結決算といい、グループ各社の
利益も計算して全体の売上や利益を出す。

沢山のグループ子会社を持つ
上場であれば、赤字の子会社が
いくつかあっても全体で黒字で
あれば、問題ない。

このままだと、グループ全体で
赤字になるなーと思った企業は、
無理矢理受注を作る。

と言っても、お客が
いなければ受注は成立しない。

そこで、グループ子会社にわざと
融資をした形にして、お金が
ある子会社を作る。

そしてお金を持っている子会社が、
同じグループ子会社に発注することで、
発注を受けた会社には受注が残る。

決算前に受注して、決算をまたぐ
場合には書類上では受注残という扱いになる。

しかし、受注はしているので、
今期の決算書には堂々と売上計上できる。

そして、決算が過ぎると、その受注を
キャンセル扱いとし、無かったものに
するというもの。

なぜ粉飾決算は起こる?

一言で言えば、よく見せたいから。

特定の人に対してよく見られたいと
思えば、その人の趣味や性格に
合わせた人を演じればいい。

例えば中小事業者の場合、
実際よりも良く見せたい相手は、
銀行などだろう。

決算上が黒字なら、
融資を受けやすいからだ。

ところが、上場企業になると、
良く見せたい相手は変わってくる。
その相手とは、銀行ではなく株主。

会社の意思決定を行う最終権限を
持つのは、社長ではなく、株主。

そして、社長や取締役を
辞めさせることが出来るのも、株主。

利益を確保すら出来ない経営者という
レッテルを貼られれば、
株主は経営者の交代を求めてくる。

まあ、野球で例えてみると、
打たれるピッチャーは監督に
よって交代させられる。
当たり前の話だ。

なので、経営を株主から
任せられた社長は、利益を
出せなければ交代させられる。

普通の社員と違い、社長などの
場合は交代イコール解雇。
仕事を無くすことにつながる。

それだけはどうしても
避けたいサラリーマン社長は、
嘘をついてでも利益を出たことに
したいものなのだ。

粉飾決算の疑い、株価はどう動く?

さて、粉飾決算が疑われると、
株価はどう動くのか。

そもそも、株価とはその会社が
出している利益の額から算出
されることが多い。

専門用語でPER、プライス アーニングス レシオ。
日本語で、株価収益率。

その会社の株価が、会社が稼ぎ出した
利益に対して何倍くらいの株価に
なっているかを示す数値。

そんな数値が参考になるくらい、
会社の株価と稼ぎ出した利益の
額は密接なもの。

稼ぎ出した利益が、実は嘘でした
なんて言われると、嘘をついていた
という事実もそうだが、利益が
そこまで出てないということ。

株価は当然ながら大きく下がる。
投資家たちは、今の株価が
適正ではないという理由で売るからだ。

今回のすてきナイスグループも、
報道があった直後に売りが殺到。

2日連続のストップ安で、
値がつかないまま週末を迎えた。

今後もさらに値を
下げる展開が予想される。

自分が保有する銘柄企業が
粉飾決算の疑いをかけられたら、
もう諦めるしかない。

 

こんな記事も読まれています

人気の学習カリキュラム

教えて編集長!投資に関する疑問にお答えします
  • 無料会員受付中入会費ゼロ年会費ゼロいますぐ登録
  • 12ヶ月ベーシック会員なら9800円で1960円OFF

マネヤックセミナー情報はこちら

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です