複合機メーカーの業界が苦境でリストラ、なんで?

複合機メーカーのリストラ相次ぐー
こんなニュースが出ていた。

複合機といえば、オフィスに
よく置いてある、コピーやFAX、
プリンターやスキャナーが
一体化した事務機器。

今日はこの業界の背景を
覗いてみよう。

複合機は日本が強い

パッと思い浮かぶメーカーも
いくつかあると思う。

リコー、キャノン、富士ゼロックス、
コニカミノルタ、シャープ・・・。

実はこれらの会社は、名前を
聞いても分かる通り日本の企業。
※外資もある

そして、複合機の世界シェアの
ほとんどを上記メーカーが
占めている。

確かに、上記以外で海外メーカーを
思い浮かべることが出来ない。

複合機メーカーは日本の独壇場。
製品の質や、アフターフォロー
体制などが良く、追随を許していない。

複合機苦境の背景

さて、ニュースにもなっている
複合機業界の厳しい経営環境。

その理由はいくつかある。
ひとつずつ見ていく。

書類の電子化

最も多く衰退産業として
言われる原因がコレ。

何年前からだろうか。
世間では「電子化」の言葉が
当たり前になる。

紙で保管していたものが
電子で保管されるように
なり、紙の需要が減った。

とはいうものの、日本人の
国民性として紙での保存は
完全には無くならない。

そして、既存の紙を電子化
するのに使われるスキャナーは
未だに活躍する。

確かに頻度は下がるだろうが、
複合機自体の需要には直接は
関わっていないような気がする。

競合の増加

もともとの3大メーカーは
上述したリコー・キャノンに
富士ゼロックス。

ここにシャープとコニカミノルタが
追いかける展開だった。

ところが近年では、京セラが
台頭してきた。

今までの価格帯よりも安価に
参入し、価格破壊を起こしている。

数年前までは安かろう、悪かろうと
言われるくらいの品質しかなかった。

近年では技術的な面も追いついており、
価格のみの勝負になっている。

当然、先行メーカーもシェア防衛の
ために価格競争になっている。

消費者にとっては安いのはいいが、
メーカーや販売店などでは
価格破壊=経営環境の悪化。

販売店の変化

十分な利益を確保できなく
なってきた販売店は、複合機の
販売を2次的な位置におきかえた。

つまり、今まではメインとして
販売していた複合機を、ついでに
売る程度の商材とした。

副商材となった複合機は
当然ながら販売数は減少。

メーカーへの直接の販売減少、
売上減少につながっている。

複合機各社の戦略

会社として継続していくためには、
昔の栄光にすがりついてはいられない。

今回のニュースにもあったように、
リストラを敢行する会社もある。

グループ会社などの売却で、
グループ全体をスリム化したりも。

他の企業を買収し、既存事業の
拡大を狙う会社もある。

最近では、全くの新分野へ
新規事業として参入するケースも。

衰退産業としてメーカー自らが
認識し、その手を打ってきている。

業績だけを見れば斜陽産業なので
投資対象にはなりずらい。

しかし、新分野進出の成功や
業界再編によるM&Aなどが
株価を押し上げる原因にも
なる可能性を秘めている。

最終的な投資判断は
もちろん自己責任で。

 

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