業界別の業績の動向を、決算発表から知る。

日経平均に採用されている企業の
3月期の決算発表が大方出揃った。

決算発表は今期の業績予想も
同時に発表されているので、
それを元に今年伸びそうな業界を
チェックしてみよう。

投資銘柄の選定にも重要な目線だが、
経済全体を把握する上でも
役に立つと思う。

今年儲かりそうなセクターは・・・

セクターという考え方

いわゆる業界のこと。
大きな経済の流れを把握すると、
基本が良い業界と、そうでない業界に
分かれる。

例えば、輸出関連株。
日本国外の売上が高いので、
為替の影響をモロに受ける。

円高基調に進めば、業績が悪化する。
円安基調に進めば、業績は良くなるので、
株価は上昇する傾向にある。

基本的な業界の業績動向を知ることで、
銘柄の選定にも役に立つ。

今年伸びそうな業界は?

様々な証券会社のアナリストと呼ばれる
専門家のレポートを元に、業績が
伸びそうな業界を見てみよう。

まずは「商社・卸売」。
主に資源価格の動向に左右される業界で、
石油や鉄鋼などの価格に大きな変化があれば
業績に連動してくる。

今のところ、石油その他の資源価格は
安定しているので、企業の出した業績予想から
大幅にぶれそうなことはなさそう。

しかし、戦争の勃発など、何かしらの
資源の需要増などによる価格の上昇があれば、
企業が予想した決算からズレることがある。

次に「運輸・物流」。
再配達問題などの解決策が進み、
安定した利益確保のもとで業績発表が
行えたことで、大きなリスクは減った。

通販などが無くなることはないので、
陸送を中心に海路・空路含めて
安定した需要が見込めそう。

ただし、こちらも石油価格が重要。
石油価格が高騰すれば燃料費がかさみ、
業績には悪影響となるので、注意しておきたい。

そして「建設・資材」。
大手ゼネコンの受注残が増加しており、
不採算案件などを無理に受けなくても
やっていける環境が出来ている。

採算の取れる優良案件を中心にこなせるので、
業績のブレは少なくなりそう。

そしてこちらも、一旦受注した案件の
原価に影響を与える「資源価格」の動向に注目。
鉄鋼などの高騰は、この業界には痛手となる。

最後に「電力・ガス」。
原発などの再稼働が進めば、
それだけ供給量が増え、業績が良くなる。

懸念されていた電力・ガスの自由化にしても
業績を大きく悪化させるほどの流れができていない
ので、安定した利益が残せそう。

そしてこちらも、燃料費の高騰が
業績逼迫につながるので、石油価格などの
高騰には要注意。

今年よく無さそうな業界は?

それでは、逆によく無さそうな業界をみてみよう。
まずは「自動車。輸送機」。

欧米諸国での販売台数などが頭打ちとなって
きており、更なる販売台数の増加が不透明。

それに加えて、為替に対して敏感に反応するので、
予想業績はかなり控えめ。

だが、為替が大きく円安に振れることで、
業績は好転する伸びしろは抱えている。

そして「銀行」。
マイナス金利の影響は今後も続き、
運用が難しくなっている。

フィンテックと呼ばれる金融のIT化も
大きく業績に寄与するほどの内容に
なっていないので、明るい材料が少ない。

マイナス金利は今後も進むことが予想されるので、
大きな構造改革が進み、それが良い方向に向かわないと
状況が好転しない。

最後に「食品」。
じゃがいもの不作に代表される通り、
「安定した商品の供給」という商売自体の前提に
不安がのしかかる。

安定供給ができる前提をクリアして初めて、
消費者の選別と戦うことになるので、
根本的な不安材料の解消がカギとなる。

大きな業界動向を知る

業界別に、大きく方向性を知っておくことで、
銘柄を選定する際の手がかりになる。

そして、大きく予想を裏切るような
業界の動向があれば、それだけ株価も
動くことになる。

そして、商売に関しても、
自身のビジネスに関わる業界全体の動向を
知ることは重要。

拡大する業界や、波に乗っている業界なら
どんどん攻めていける。

逆に縮小する業界や、不安が多い業界であれば、
別の戦略を取る必要がでてくる。

自分が関連する業界以外も含めて、
全体の大きな動向を知ることはとても重要。

 

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