減少傾向が続くゴルフ業界。ゴルフをする人は知っておきたい業界事情。

皆さんはゴルフをされますか？

私は2回しかラウンドしたことがなく、
155と170という、コスパに優れた
記録保持者である。

サラリーマン時代は、上司からよく
ゴルフを勧められた。

お客さんとのラウンドをすることで、
仕事以外の会話が多くなり、
コミュニケーションとしていいとのこと。

4人1組で回るので、お客さんの知り合いなど
とも知り合う機会となり、幅が広がる
とも言われた。そして実行してみたが・・・

結果、確かに仕事面では役に立った気がする。
しかし、一回のラウンドで1万円前後の費用が
かかること、そしてほぼ1日が拘束されること。

さらには、一緒にラウンドすることであまりにも
下手くそなので、同行者に迷惑をかけること。

それを気にして、よく打ちっぱなしに
練習に行ったものだ。その練習にかける
費用もバカにならなかった。

今ではほとんど行かなくなったが、
さて、ゴルフ業界全体の動向がいかがなものか。

ゴルフ人口は約7〜800万人といわれる。
ピーク時は1,000万人以上がいたとのことで、
3分の2程度まで落ち込んでいるらしい。

ゴルフ好きな団塊の世代が退職し、
ゴルフに明け暮れる時代が一段落
したのが大きいと見られている。

業界では、団塊の世代に頼ること無く
経営を安定させるべく、ジュニアや
若年層にスポットを当てて知恵を絞る。

ゴルフ関連での上場企業銘柄を見てみよう。

PGMホールディングスは全国約130のゴルフ場を
経営しているが、2015年8月にパチンコで有名な
平和（6412）に買収されて子会社化している。

リソルホールディングス（旧リゾートソリューション5261）や
ホウライ（9679）などは、ゴルフ場経営を
行っているが、それ以外の業務も行っている。

そして、今度はゴルフ関連でみてみよう。

ゴルフ・ドゥ（3032）は、首都圏を中心に
中古ゴルフクラブの取扱店舗を構える。

ゴルフダイジェスト・オンライン（3319）は
ゴルフ情報サイトを運営し、ゴルフ場予約や
ゴルフ用品販売などで稼ぐ。

現在、全国のゴルフ場は約2,300くらいあるらしい。
そして、ゴルフ場の経営には
設備維持や芝生維持のため、年間で約2億円程度が
かかり続けるとのこと。

つまり、2億円以上のプレー収入が無ければ
経営が続けていけない現状がある。

月平均で1,700万円程度。
一日に換算すれば、60万円弱。

1人あたりの顧客単価を約1万円程度とすれば、
一日60人平均の来場者数がなければ
経営が困難、ということになる。

ゴルフ人口そのものが減少している現代で、
入場者数を確保することは決して容易ではない。

ゴルフ場予約の市場も、分母が小さくなれば
売上も減少する。

中古クラブなどの市場も、ネットが当たり前の
時代に突入したことで一世を風靡したが、
個人間のネット売買も簡単に出来るように
なってきたので、展望は決して明るくはない。

ゴルフ場・ゴルフ関連事業は、ゴルフ人口自体が
減少していく以上、厳しい環境が続く。

最近では、ゴルフ場を閉鎖して、その広大な
跡地に太陽光パネルを施設するところも
増えている。

また、新しい顧客層の取り込みとして
ゴルフサッカーなどの新業態で
若年層の取り込みに動くホールまである。

どちらにしても、厳しい経営環境を
明確に打破できるほどの兆しにはなっていない。

では、淘汰されて潰れるゴルフ場が増えるのか。
もちろん、淘汰は進むだろう。しかし、スピードは遅い。

これは、ゴルフには「預託金」なるものが存在し、
消費者からお金を預かっている。

そのお金を設備投資などに回しているが、
閉鎖となれば返還義務が発生する。
お金が無いので返還も出来ない。
結果、無理してでも経営を続ける必要がある。

それを踏まえても経営難となった場合には、
倒産という道となるが、倒産が決定してからも
「預託金を返せ」という訴訟が起きる。

全国的にもすでに多くの訴訟が行われており、
簡単に「儲からないので辞めました」は通用しない。

今後のゴルフ場がどのように変革していくかで、
大きな転換を迎える場面がきそう。

広大な敷地を使って新しい商売を思いつけば、
あなたは億万長者になれるかもしれない。