富士通が早期退職を募集し、
2850人が応募したとされる。
割増退職金なども含めて
461億円の費用を計上した。
そこまでしてリストラは
必要なのか。企業からは
メリットがあるのか。
リストラの理由
リストラと聞いて
良いイメージはない。
クビを切られて右往左往する
従業員を描くドラマなんかも
あったりする。
企業側は、なぜリストラを
行うのか。
それは、経費削減。
にもかかわらず、退職金で
余計にお金が飛んでいく。
これは、人員が多く存在する
大企業に多くあること。
企業としての最大の経費は、
やはり人件費。
年間で一人500万程度の経費が
絶対にかかるもの。
100人いれば5億円。
1000人いれば、50億円。
しかもそれが、毎年かかる。
一定期間経過すればかからなく
なるというものではない。
1000人で50億、それが10年
続いたとすれば、500億円。
10年間で500億円は、人がいる限り
絶対にかかる経費になる。
儲からなかったからとかいって、
その500億円が300億円には
ならない。
それでは、リストラをした場合は
どうなるのか。
早期希望退職などで通常よりも
割高の退職金を支給する。
まぁ、3000万円程度で
計算してみよう。
3000万円の退職金を1000人に
払うとする。
合計300億円、という計算だ。
実際に、今回の記事の数字を
計算してみると、一人あたり
1617万円の退職金を支給している
ことになる。
雇い続けて10年間だと500億円。
リストラして10年間でも300億円。
元が取れるのは5〜6年後という
長期スパンとなる。
それでも企業が人員を減らすのは、
将来収益が下がった場合でも
生き残っていく策なのだろう。
株価への影響は?
大規模なリストラでも、
計画的なリストラであれば、
その経費は見込まれたもの。
むしろ、長い目でみて
スリムな経営が出来るように
なるので、投資家からは歓迎される
施策だろう。
リストラや不採算店舗の閉鎖など、
マイナスイメージの強い施策。
だが、企業経営にとっては
結構重要なもの。
数年の経費が大きく積み重なるし、
ある程度の余剰金がある会社
でないと、耐えられない。
これが大企業だからリストラでも
退職金が出来るが、中小企業の
リストラともなれば、それすら出ない。
まぁ、それはおいておこう。
株価への影響を再度。
単純にいうと、リストラを
敢行した年の経常利益は減る。
だが、翌年からの経常利益は、
人件費がリストラした人数分だけ
減ることになる。
そうなれば、企業としては
利益の出やすい体質となる。
目先よりも長い目でみると、
企業にとっては有効な施策。
なので、みんなが嫌がるリストラを
敢行する企業は、意外と株価は
上がる。
リストラと企業収益の関係を
頭に入れておくと、理解しやすい。