電車の製造を手がける会社の記事があった。
内容は、最近の電車はIT化が進んでるよねー
という話。
さて、ここで素朴な疑問。
電車っていくらくらいで買えるの?
そして、どこが作ってるの?
今日はそんな疑問から。
電車や新幹線の相場
実際の取引価格は会社間の関係や
受発注量にも影響するだろうが、
一般的な相場がネット上でささやかれていた。
通勤電車1両の価格が、約1億円。
10両編成の通勤電車は、10億円が
走っていることになる。
そして、新幹線。
1両の価格は3億円が相場だという。
10両編成の新幹線は、30億円。
高いのか安いのか、さっぱり分からない。
まぁ、仮に潤沢な余裕資金があっても、
個人で買うことはまずない。
むしろ、個人で買う人を探してみたい。
どこが作ってるの?
さて、そんな電車や新幹線の車輌を
製造している会社が日本には存在する。
電車製造は、大きな会社では
川崎重工業(7012)、日立製作所(6501)、
日本車輌製造(7102)、近畿車輛(7122)、
そして非上場の総合車輌製作所などがある。
川重や日立などは、なんでもしている会社
なので、今さら不思議感はない。
残り3社は、専業でやっている会社。
上場している2社も、ちょくちょく
名前が挙がる会社ではない。
そんな会社があるんだねー、
上場してるんだねー程度で
知っておけば問題ない。
それより気になるのが、各社の
株主の状況だ。
各社とも、発注主との関係が。
電車の発注主は、やはり鉄道会社。
JR●●や、●●電鉄など。
川重や日立はおいておいて、
専業3社の筆頭株主は以下の通り。
日本車輌製造・・・JR東海50.1%(完全子会社)
近畿車輛・・・近畿日本鉄道30.4%、近鉄Gホールディングス14.2%、JR西日本5%
総合車輌製作所・・・JR東日本100%(完全子会社)
発注主の資本を受け入れ、
傘下に入ることで安定した受注を
実現しているという。
例えばJR東日本の子会社の総合車輌製作所。
もともとは東急車輌という、
東急電鉄系の車輌製造会社だった。
ところが、経営不振が続き、
2012年にJR東日本が買収。
完全子会社となったことで、息を吹き返す。
つまり、車輌製造専業の会社は、
受注獲得が単独では厳しい状況で、
鉄道会社傘下に入ることでしか
生き残るすべが無かったということ。
買収する方も、自社の都合のいい
発注やメンテナンスなどを行えるように
なり、双方にとってよい合併となった様子。
傘下でもない2社が強い
さて、川重や日立。
特に鉄道会社の傘下というわけではない。
にもかかわらず、電車製造業界では
3強のうちの2社となっている。
さすがというか、なんというか。
作る電車の質がいいのか、
それとも営業が強いのか。
内情は業界人にしか分からないが、
結果はそうなっている。
ある資料では、2000年から15年間の
車輌製造数が出ていた。
2位に位置する日立製作所は、
1419両だったという。
仮に1億円の通勤電車だとすれば、
売上は1419億円。
年間に換算すれば、10億円弱。
あれ?思ったよりも売上が少ない・・・
やはり、専業は厳しい業界なのだろう。
知っておいてどうなる?
こんなことを知っておいて
どうなる?と思う方もいるだろう。
おそらくだが、この業界も再編がおきる。
既に完全子会社になっている企業は
それほどの動きはないだろうが、
注目は近畿車輛。
近鉄系の持株比率が高いが、
JR西日本も食い込んでいる。
例えば、JR西日本が子会社化を企んで
TOBをかける、なんてことも
あり得なくはない。
業界を知ることは、
役に立つ。