このニュース記事は先日の
ものだが、事が起こったのは
今年の2月。
野村證券の営業マンが
勧めていたという金融商品で、
購入者から苦情が集まった。
どんな商品だろうか。
そして、購入者は救済されるのか。
金融商品の概要
正式名称は・・・まぁ長いので
ここでは掲載しないが、
いわゆるETNと呼ばれるもの。
ある指標に連動した値動きを
する金融商品で・・・
まぁ、少し分かりづらいので、
例えてみよう。
1日1回、100人に「今あなたは
幸せですか?」というアンケートを
取っているとしよう。
幸せと答えた人のパーセンテージを
毎日算出していく。
34%であれば34人が幸せと答える、
という感じで。
そして、その数字に推移を
「幸せ体感指数」と名付ける。
土日は高くなるが、平日は
低くなる、などの性質を持つ。
そして、この数字を取引しよう
というものが、今回のETNの
ようなもの。
50の時に買った人が、70の時に
売れば儲かる、という具合。
実態のない、まちゆく人の
気持ちを取引しよう、というもの。
そして今回の問題となった商品は、
VIX指数というものに連動したもの。
VIX指数とは別名「恐怖指数」と
呼ばれ、相場の先行きに不安を
感じる人の割合を指数化したもの。
指数なだけに、歯止めが効かない。
一旦上がり始めたり下がり始めれば、
勢いよく動く。
VIX指数の動き
恐怖指数はどのように動くのか。
相場の先行きが不安と感じる人が
多ければ、VIX指数は上昇する。
例えば、戦争などの懸念があり、
今後の相場は下がるだろうと
感じる人が多いと、VIX指数は上がる。
逆に、何事もなく順調に相場が
上がっていくだろうと思う人が
多ければ、VIX指数は下がる。
今回の問題となった商品は、
VIX指数の逆の値動きをするもの。
不安な人が増える→VIX指数が上昇
→金融商品の価格が下落
と、こんな感じ。
まぁ、分かりづらい。
しかし、それだけではなかった。
この商品には「早期償還条項」なる
ものが定められており、ある日突然
運用が終了し、お金で返ってくる。
条件の内容は様々だが、この条項に
該当してしまい、早期償還が決まった。
そして、28,000円くらいが1日で
96%マイナスの1,144円になったのだ。
知識や経験がないと理解しにくい
それなりに金融商品の知識が
ある人であれば、なんとなく理解できる
かな、というレベル。
投資経験が浅い人には、
受け入れがたい商品でもある。
そんな小難しい商品を、野村證券の
営業マンが販売していたという。
そして、いざ大きく下がって
繰上償還が行われると、こぞって
野村證券に文句を言ったのだ。
野村證券は謝罪を行った、という
ニュースだが、投資家は救済されるのか。
答えはNo。損したお金は戻ってこない。
証券会社にどれだけ文句を言っても、
お金は戻ってこない。
甘い誘い文句に乗って、
購入した投資家の責任だ。
甘い誘いと言うと、いかにも
野村證券の営業マンが悪いと
思われがちだが、決してそうではない。
事実、急落する少し前までは、
かなり儲かっている人が多かった。
ある程度で売却して利益を
出しておけば、急落の餌食には
なっていない。
そもそも、内容を良く理解もしないで、
言われたものをそのまま買う人が悪い。
だが、無知であればあるほど
その道のプロの言葉に惑わされる。
金融商品は悪くない。
営業マンも悪くない。
人を信じた投資家も悪くない。
悪いのは、「無知」である。
知らないことが最大の罪だ。
最近、同じような締めくくりに
なっているが、いつも同じことを
思っている。